ウサギと同居しているshirousagiです。
先日、あるツイートをきっかけにこんな記事を書きました。
思いつくままに書いた記事ですが、同じ意見を持つ方(「学校ウサギ」を廃止してほしいと思っている方)に多く読んでいただけたようで、大変ありがたく、嬉しく思っています。
同じ考えを持たれている方が日本にいらっしゃる事をとても心強く感じます。
そして、改めて、「学校ウサギ」の存在について考えました。
「そういえば、私の通った小学校にもウサギがいたし、友人の子供の通っていた小学校にもウサギがいたけれど、ウサギって学校でよく飼われている動物なの? どうしてウサギが飼われているのかしら?」と調べてみると、理由は
- ウサギは鳴かない
- ウサギはかまない
- ウサギは昼間起きない
から、学校で飼うのに適しているからなのだとか。
ここで大声で言いたい!
ウサギが「学校で飼う動物にちょうど良い」なんて ありえません! ひどすぎます!!
文部科学省の小学校学習指導要領によると、動物を学校で飼うと生き物を大切にするようになるらしい?
どうして動物を学校で飼う事にしているのか、文部科学省の学習指導要領にこんな項目があります。
「第2章 各教科 第5節 生活」の目標は
具体的な活動や体験を通して,自分と身近な人々,社会及び自然とのかかわりに関心をもち,自分自身や自分の生活について考えさせるとともに,その過程において生活上必要な習慣や技能を身に付けさせ,自立への基礎を養う。
文部科学省 小学校学習指導要領第2章第5節 より (太字にしたのは筆者です)
「各学年の目標及び内容」という項目では 第1学年、および第2学年において
動物を飼ったり植物を育てたりして,それらの育つ場所,変化や成長の様子に関心をもち,また,それらは生命をもっていることや成長していることに気付き,生き物への親しみをもち,大切にすることができるようにする。
動物や植物へのかかわり方が深まるよう継続的な飼育,栽培を行うようにすること。
文部科学省 小学校学習指導要領第2章第5節 より (太字にしたのは筆者です)
自然との関わりをもち、動物を飼ってそれらの育つ場所や変化・成長の様子に関心を持ち、生き物への親しみをもち、大切にすることができるようにする。
・・・学校でウサギを飼ったら、生き物を大切にするようになるのですか??
継続的な飼育を学校で行うと動物への関わり方が深まるのですか??
多くの学校ではウサギの飼い方を間違って教えているのではないでしょうか?
動物を飼育して、その命の大切さを学ぼう、という意図はわからないではありません。
実際、多くの親御さんが子供への教育の一環として家庭でペットを飼っているのではないかと思います。
しかし、学校でウサギを飼って、それが文科省の言う目的を果たすのでしょうか?
生命を持っている事に気づくために選ばれた動物がウサギ。このウサギが選ばれた理由を読むと
「ウサギに関しての知識がないまま、学校でウサギを飼うことを勧めている」
としか思えません!
ウサギは鳴かない?確かに鳴きませんが、だからこそ飼育が大変なのです
ウサギには声帯がないので声を出す事ができません。
それでウサギは鳴く事ができないので「静か」でよい、と思われているのでしょう。
確かに誰かが近寄ると、ワンワンと吠える犬だと学校の授業の邪魔になりますよね。
だからといって、声帯がない理由でウサギですか?
学校内だと広いので、多少の物音は気にならないのかもしれません。が、不安になったり、不快だと足で地面を叩きます。その音は結構大きいのです。(なのでマンションなどでは要注意ですね)
そして・・鳴かない、ということは、ウサギの身になにかあったり、病気になった時に気がつきにくいのです。そのため、飼い主はしっかりウサギを観察する事が強いられます。
ウサギは噛まない?確かに犬ほど噛まないかもしれませんが、嫌な相手には噛みます!
ウサギは強い歯を持っています。いざという時は自分の身を守るためにも噛みます!
それは犬ほどではない、にしても、ペットとしては犬ほど普及していないから事故も少ない、のかもしれません。また、ウサギが犬に比べて小さく、噛まれてもひどく噛まれても血が出る程度、ですんでいるからかもしれません。
が、繊細なウサギは環境が悪かったり、知らない人ばかりでストレスがたまると噛みます!
オス同士のテリトリー争いでは相手が死ぬまで噛んで戦うこともあります。
あまりにも楽観しすぎ、のように見えますが・・・ウサギが噛まないから、なんて。
ウサギは昼間起きない・・夜行性ですが、行動させてもらえるのですか?
そう、我が家のうさぎもお昼間はのんびりお昼寝しています。
その代わり、早朝は駆け回り、夜中にも食事をしています。
昼間起きないから学校で飼うのにちょうどいい?
確かにお昼間はあまり動き回りません。
その代わり・・・夜になるととてもよく動くのです!
走りまわり、飛び回り、餌を食べ・・・
そのため、日中はサークルでも夜になるとケージに戻すのはあまりよくありません。
そして、ウサギがストレスなく生活するためには1匹あたり最低(最低ですよ)2㎡は場所が必要、と言われています。
ということは、少なくとも夜にはウサギにはたっぷりと場所を与えてあげたいものですよね。
狭いウサギ小屋に住んでいるウサギは夜になると広いサークルなどに移動させてもらえるのでしょうか?それともどの学校でも広いウサギ小屋が用意されているのでしょうか?
ウサギが学校で飼う動物としてちょうどよいのは、単に「人間にとって」で、ウサギにとっては迷惑
動物を飼って、その動物を責任を持って餌やりや掃除をして、(ちなみに・・ウサギの小屋掃除に「小屋内に入らないでも出来るから」という記述のあるサイトを見たのですが、どれだけ小さい小屋なのですか?ウサギが気の毒です!)
生き物への親しみを持つ、
その目的を掲げる気持ちは、わからないではありません。
が、学校でウサギを飼う事で、生き物への親しみがもてるようになるのでしょうか?
そして、学校には多くの生徒、先生がいるので、動物を責任持って育てる、気持ちは持てないのが本当だと思います。
しかも、学校で飼う動物にウサギが選ばれた理由が、全くもって人間の都合。ウサギの気持ちなどひとかけらも考えていない、と思います。
動物を飼うなら、その動物が気持ちよく過ごせるようにするのが飼い主の勤め。
人間の都合ばかりで「学校では動物を飼おう!
それにはウサギがちょうどいい!」とは!
これで「生き物を大切にする」ようになるのでしょうか?
学校でウサギが飼われる事によって、ウサギの飼育の仕方が間違って広まるのでは?
最後に、学校でウサギが飼われる事で、ウサギの世話をした事がある人が多いと思いますが、学校でのウサギの飼育の仕方が果たして正しいのでしょうか?
私が子供の頃は「ウサギは水を飲まないから水やりは必要ありません」と教わりました。
おかげで私はウサギを飼い始めた時、ウサギに水をあげなければならないと聞いて、「あれ?おかしいな」と思ったのです。
本当はウサギに新鮮な水を与える事は大事なのです。しかし、学校での経験のおかげで、最初はウサギに水をやりはするものの、あまり大事だとは認識していませんでした。
また、学校で飼われる動物にウサギが良いと言われるこの3つの理由を聞くと、これを信じ切ってしまって、
- ウサギは静かだからマンションでも楽に飼える(足ダンするので気をつけて!)
- ウサギは噛まないから安心(でも家具とかボロボロに噛まれますよ)
- ウサギは寝ているから場所はいらない(いえ、大変よく動くのです)
と安易な気持ちでウサギを飼おうとする人が出ないでしょうか?
また、ウサギは癒してくれる動物だと、ウサギを抱っこしたり、撫でたりする人がいますが、基本的にはウサギは抱っこも撫でられるのも好きではありません。
また、ウサギの骨は弱いので、ウサギを抱き上げるのはとても危険です!抱き上げたウサギが暴れて落ちてしまったら、骨折する危険があります。
学校でも、もっと動物の本質を広めて欲しいものです。
ペットとしてウサギを飼うのに適している人、というのはウサギをながめたり、観察するのが好きな人、ですよ。
特に・・・ウサギに長生きしてもらおうと思えば、ちょっとしたウサギの(体調の)変化に気がつかないとなりませんよ。
コメント