ドイツでも、という「でも」は日本と一緒で、ではなくて、他のヨーロッパの国と一緒、という意味です。
・・・残念ながら。
昨年、2018年の5月1日から隣国オーストリアでは未成年(18歳未満)が同乗している自動車の中での喫煙が禁止された、という事を書きました。
その頃から、いえ、それ以前からドイツでも、未成年が同乗している車内ではタバコを吸うのは禁止しましょう!という動きが盛んではあったのです。
が、
- 自家用車内はプライベート空間
- 未成年が同乗しているかどうか、また、未成年が乗っている車内でタバコを吸っている人がいないかどうか、の検査は難しい
という理由で、法律で喫煙禁止にできない、という事だったのです。
ある調査(DKFZ・ドイツ癌学会の調査)では車を運転する人の87%が禁煙に賛成、と答えたというのに。
それでもこの10月11日、ドイツ連邦参議院の委員会において、「子供や妊婦が同乗している車内では喫煙禁止」という法案を国会に出すことを決定したようです。

すでにフランスでも子供が車内にいる場合は禁煙だし、イタリアはさらに妊婦が同乗していたらタバコは禁止です。
ドイツは禁止にしないのかな??と心配していたら、やっと国会に子供と一緒にドライブ中にタバコを吸ったら罰金!になりそうです。ほっ!
ところで、この「未成年が車内にいる場合のドライブ中の喫煙は禁止」の法案は、私が住んでいるノルトライン=ヴェストファーレン州が提案して、さらに多くの州から賛同を得たそうです。
ノルトライン=ヴェストファーレン州(NRW州)は公共の建物内やレストランなどでの禁煙に関して、ドイツ内でももっとも厳しい、喫煙者にはあまり嬉しくない?、州のようです。
ドイツは地方分権が進んだ国で、16の州が強い自治権を持っているので、法律も州によって違うことが多くあります。(なので、よくこのブログでも「ここノルトライン=ヴェストファーレン州は・・」と書いています。デュッセルドルフあたりでは普通でもバイエルンでは違う、という事も多いので。)
という訳で、公共の建物内なので禁煙であるかそうでないかも、州によって多少違うわけですが、ここNRW州でタバコを吸っても良い場所は、屋外とプライベート空間以外で
- 刑務所で 複数の囚人が一つの部屋に入っている場合で、その中の全員が愛煙家の場合
- 病院などの施設で、精神病などタバコと縁が切れない、タバコが必要である患者のいる場所
この2箇所のみのようです。

「だったら、国会に持って行く前に、さっさと州で「未成年が同乗の場合は禁煙」という法律を通してしまえばいいじゃない?」と思われますよね。
建物内はともかく、自家用車だと
「ドイツ中を走り回れる車の運転手が、州によって違う法律を覚えられる訳がない」から
道路交通法では州によって違う法律にしないそうですよ。
なるほど・・・
デュッセルドルフからベルリンまで車で行こうとしたら、NRW州を出て、ニーダーザクセン州、ザクセン=アンハルト州、ブランデンブルク州を通って、やっとベルリン!です。
地元以外にも4つの州の道路交通法を覚えなくてはならなくなります!
しかも、「今、どの州にいるんだっけ?」ってことに、絶対なります!
(大体、ドイツからベルギーやオランダに入っても、看板などの言語に気をつけなかったら、ずっとドイツを走っていると思ってしまいます・・・)
車に関しては、州ごとに法律を決めるのは現実的ではありませんね。
先日、10年以上前の日本のテレビドラマを見ていたら、登場人物がかっこよくタバコを吸っていましたが、あの当時はまだまだタバコの害について知られていませんでしたね。
確か、15年以上前だったか、息子と一緒に列車に乗っていたら、座席の真向かいに座っていた女性が日本人で、息子に向かって
「タバコは絶対に吸わない方がいいよ。私、タバコを吸うんだけど、ものすごく後悔しているの。やめときゃよかったって。今更、なかなかタバコをやめる事ができなくて・・・」
しみじみと語ってくれたその女性、まだ若い方でしたが、今は卒煙できたかしら?
タバコを吸う人に「吸わない方がいい!」と言ってもらったのは、息子には本当にタバコはよくないと感じたようで、よかったな、と思っています。
話がドライブ中の禁煙から、少々それてしまいましたが、脱線ついでに
今年に入って、NRW州で病院が立て続けに火災に見舞われました。
そのうち、少なくとも1件は「入院患者が隠れて喫煙」が原因の火災だったのです。
(その後に発生した病院の火災も、最初は喫煙が原因だと思われていました)
タバコはやはり、百害あって一利なし、です。
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