10月31日の「ハロウィン」が日本でも有名になってしまって、それが騒ぐ日になってしまい、地域によっては大問題になっているようですね。
このハロウィン、ドイツでも20年くらい前から徐々に有名になってきて、特にティーンエイジャーが友人らと集まって、自宅などでハロウィンパーティーをしているようです。
このハロウィンは元々ケルト民族のお祭り。ドイツでは祝っていませんでした。
この時期、ドイツには「聖マルティン祭」(St.Martinstag)という行事があり、このお祭りで子供達はお菓子を集めているのです。
「聖マルティン」とは誰?「聖マルティン祭」って何?
聖マルティンというのは4世紀ごろの人です。
マルティンという兵士が(後に聖人となったので聖マルティン)ある寒い日に市の門のへ馬に乗って行ったところ、ボロ布をまとった貧乏な人が、寒さに震えながら立っているのを見かけました。その服ではその人はとても寒さはしのげまい、とマルティンは身につけていたマントを剣で切り、マントの一部をその人に渡し、その貧乏な人を寒さから救ったのです。
という伝説があります。
その聖マルティンの命日が11月11日なので この日に聖マルティンを祝う、と言われていますが
この日は聖マルティンの誕生日だという説もあります。
「聖マルティン祭」の日のために子供が準備すること、そして大人は・・・
毎年10月も下旬になると「聖マルティン祭」のために小学校や幼稚園では、工作でランタンを作ります。
色画用紙やセロファン紙などを使って、カラフルなランタンを作ります。

写真のものは黄色い色画用紙に白いセロファン紙で「太陽」を表したのだとか。
市販のランタン(Laterne)もあります。
兄、姉がすでに小学生でランタンを作っていると、小さな妹や弟もランタンが欲しいですよね。そんな時はこんな市販のランタンを持たせると良いのではないでしょうか?
我が家でも、子供がまだ3歳の時に急に「聖マルティンの行列に参加しよう!」という誘いを受けて、あわててランタンを買ったことがあります。
ランタンには、持ち手の棒に針金を付けて、その針金の先に本物の蝋燭をつける人もいますが、安全上、豆電球が先についたものが市販されています。
この先端の豆電球を作ったランタンに入れて、電気をつけて行列に持ち歩くのです。
大人は・・・ランタン工作を手伝ったり、「聖マルティンの歌」を歌いに来る子供たちのためにお菓子を用意しておきます。

「聖マルティン祭」のイベント内容は・・・
小学校や幼稚園、また町や村では、11月11日前後に「聖マルティン」の行列をします。
ランタンを持った親子が集まり、ブラスバンドの演奏で「聖マルティンの歌を歌いながら行進します。先頭は馬にのったマルティンです!
「聖マルティンの歌」は例えばこれ。
この時期になると、小さな子供達がよく歌っています。
行列行進した後は、学校の校庭などに集まり、子供達は聖マルティンの劇(馬に乗ったマルティンがマントを切り裂いて貧乏人に与えるという)を見て、ベックマン(Weckmann)というパンをもらい、暖かい飲み物を飲んで、しばし聖マルティンの善行を讃えます。
大人はグリューワイン(ホットワイン)かも!
また 子供達がそれぞれ、ランタンを手に、近所の家を訪問して ドアのところで「聖マルティンの歌」を歌い、その家庭からお菓子をもらいます。(なので、お菓子を用意しておくのです)
ベックマンって何?
その、聖マルティン祭で食べる「ベックマン」ですが、パンです。

ドイツでも地域によるとこのパンはクリスマス前の「アドヴェント」の時のものだそうですが、ここNRW州は聖マルティン祭の時のパンです。
フィリングはありませんが、柔らかくて、少し甘みのあるパンです。ドイツの典型的な硬いパンとは違って、リッチなパン、です。
上にスライスアーモンドやアイシングのかかっている物もあります。
人の形をしているパンで、パイプを持っているのが特徴です。(パイプのついていないベックマンも見たことがありますが)
この白いパイプ、司教杖(司教(主教)が祭式の時に手に持つ杖)を表している、という説もありますよ。
11月11日はカーニバルの始まりでもありますよ
ところで、この「聖マルティンの日」である11月11日、この日の午前11時11分にカーニバルが始まる、と言われます。
カーニバルのクライマックスは「薔薇の月曜日」です。今回の薔薇の月曜日(Rosenmontag)は
2020年2月24日。(もちろん、月曜日)
この頃は今よりもっと寒いのだろうなあ・・・
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