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「もう少し文明が進めば、交通などというものは一切不要に?」〜昔書かれた本を読むのも面白い

読書
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本日、9月30日は月末なので「【読書】9月後半に読んだ本」という記事を先ほどアップしました。

ほとんど自己満足の、自分の読書記録のためだけの記事なのですが、こうして少しでも書いておくと後で「そういえば、どんな本を読んだっけ?」とか「あの本の内容ってどんな感じだったっけ?」など読み返して役に立っています!

ええ、自分の役に立っていますよ。みなさまにもオススメしたい読書記録です。他人にはあまり興味を持ってもらえないかもしれませんが。

この9月後半に読んだ本の中に、作曲家の團伊玖磨氏がかかれたエッセイ「パイプのけむり」の第1巻があります。

この本、週刊誌「アサヒグラフ」に1964年から連載されたものを単行本にまとめたものです。連載は1000回以上に渡り、1964年から2000年まで続いたそうなので、このエッセイを読まれた方、存在をご存知の方も多いかと思います。

私もまだ学生の頃からこの本の存在は知っていて、古本屋さんで見つけては購入していたのですが、つい先日までこの本を読んでいなかったのです。

今回の「積読消化プロジェクト」と勝手に自分で名前をつけてせっせと読書している中で手を取ったら・・・書かれてから50年以上たっているのに(読んだのは第1巻ですから!)なかなか面白い!

良質なエッセイは時を超えても読むのに値したり、また、書かれたことがその後現実になっていて関心したりすることがあるのですが、今回、感心したのは「低速道路」というタイトルの文章。

この文章が書かれた頃というのは新幹線が出来たり、高速道路が増えたりしていた頃ですね。

この本から少し引用させてもらうと

文明が進んで、乗り物が速くなる。これは、ちょっと考えれば素晴らしいことでもあるのだが、それに伴って、いったんアクシデントが起こった場合の惨状がひどくなるのはなんとかならぬものか。

今年、2020年はあの2000年におこった超音速旅客機コンコルドの墜落事故から20年です。

20年前の7月25日にフランスを飛び立ったコンコルドの墜落で、乗客にはドイツ人、それもここノルトライン=ヴェストファーレン州の人が多く、今年の夏もニュースになり、話題にのぼりました。

悲しい事故です。

あの事故をきっかけにコンコルドは飛ばなくなりましたが。

いっそ、もう少し文明が進めば、交通などというものは一切不要になるのではないかと思う。

・・・(中略)つまり、交通などという過去の遺物は、どうしてもその人間がそこに体を運ばねばならぬ、医者とか・・・(中略)・・・そういった人達だけが利用するようになるだろう

50年以上前の事なので、ネット利用ではありませんが、テレビジョンの利用(團伊玖磨氏は「テレビ」と略するのを嫌って、テレビジョンと書かれています)で会議ができる、と。

会議などのために人が集まる事は愚かな事で、不必要だと述べているのですよ。

いえ、会議だけならまだしも、この時点ですでに

  • 商談
  • 見合い
  • 葬儀
  • 帰省
  • 結婚式のスピーチ
  • 宴会

などもテレビジョンで済ませられる、よほど暇人以外は旅行というものをしなくなる、と。

流石の團伊玖磨氏も、まさか宴会まで家から出る事なくオンラインでするようになる時代が来る、とは本気で思わなかったのではないか、と思いますが、

團伊玖磨氏があげたもの、全て今年はオンラインで実行されていませんか?(見合いまでは私はわかりませんが、オンラインで結婚相手を探すシステムはすでにありますよね)

オンラインで行われるようになった原因は「コロナ禍」で、これはまさか、の展開でしたが、50年以上も前に半ば「現実になるかも??」と思いながら書かれたであろう、(実際にはどう思われていたのか、御本人が亡くなられているので確認のしようもありませんが)そんな内容が現実になっているのです!

子供の頃に読んだ、シリアスな内容の「2001年の世界」だったか?そんな本の内容よりよほど現実化しているな、と感心した次第でした。

ところで、エッセイで気軽に「未来はこうなるといいな」と書かれたものが現実になっている、といえば、すでに私がこのブログで再三取り上げたこんな本があります!

「こうしろ!未来のクラシック」茂木大輔・著

こちらも15年以上前に書かれた本ですが、内容が・・・一部現実化している・・・

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