前回に続き、今回も東西ドイツが統一する前、東ドイツの家庭に滞在した時に経験したことを紹介します。
ベルリンの壁が壊れる1年くらい前のことなので、これでも東ドイツ市民の暮らしが少しは良くなっていた頃のはずです。
食品を手に入れることすら困難

西ドイツ滞在中にどうしてもライプツィヒに行きたくて、お世話になった東ドイツの家庭。

その頃は一般人としては、東ドイツ人に招待してもらわないとビザが取れなかったの
初めてその家庭を訪問した時、食卓に西ドイツでよく見るパンに塗るペーストやフルーツヨーグルトが並んでいたので、「東ドイツの生活も悪くないんだ」と思ったら・・・
それは、西ドイツに住む親戚からのクリスマスプレゼント。たまたま例外的に食卓が豪華なだけだったのです。

彼らにとっては、貴重な食品だったのに、私まで(西ドイツに戻ればいつでも食べれる)もらって、悪かったわ。
食料品店の前の行列は当たり前
当時は有名だった、お店の前に発生する行列。
本当に東ドイツの食料品店の前には行列が出来ていて、小さな町のお店の前でも数人は店に入れずに並んでいました。
東独の知り合いの買い物(ショッピングというにはあまりにもしょぼい)に付き合って、履き物のお店で行列に並んで店内に入ったけれど、店内にあったスリッパや靴も今ひとつ。数も今ひとつ。
ドイツ人の国民的飲み物と思っていたコーヒーがない
これも初めて東独に出かけた時のこと。
それまで輸入するには外貨がなくて、輸入しないと手に入らない食品は高級&不足している、という事実をあまり認識してなかったのです。
バナナがなかったのは有名だったけれど。
で、観光の合間に疲れたから、レストラン(入れればラッキー)に入って休もう、ということになり、運良く入れたそのレストランでコーヒーを頼んだら・・・なかった(涙)
西ドイツだと何かとコーヒーを提供されていたので、ドイツでコーヒーは簡単に手に入るものだと思い込んでいたのですよ。
今考えると、コーヒーは輸入品だわ。
水っぽくてすぐに腐ってしまう牛乳
コーヒーがなくても、ドイツだもん、牛乳は美味しいでしょ、と思って、東ドイツの家庭の冷蔵庫にあった牛乳を頂いたら・・・
白い水。カルピスではありません。もちろん。
そして、冷蔵庫に入っていても、2日くらいで腐っていたのです。え?こんなにすぐに腐るの?ちゃんと牛乳瓶に入っているのに?(工場で処理されているのに)
間違いだらけの本と貴重なレコード

せっかくのライプツィヒ訪問なので、楽譜やレコード(当然、CDなんぞない)のお店にも連れて行ってもらったところ、友人は同じレコードを数枚購入。
「お店にある時に買っておかないと、次はいつ入手のチャンスがあるかわからないから、数枚買っておくの」
そして、レコードが欲しい人と自分が欲しいものを持っている親戚、友人らと物々交換するのだとか。
ライプツィヒにドレスデンに、旧東ドイツにはその文化や芸術が栄えた都市があるのですが、東西分裂時代にそれらの東ドイツにあった大都市の文化レベルは下がったように思います。
西ドイツでお世話になっている家庭へのお土産に絵本を買って、中をみたら間違いだらけ。
船好きの男の子へと思って買った絵本にあった国々の国旗と国の名前が一致していない!
東ドイツで買った楽譜もミスプリントだらけ。
間違いだらけの本を見て学習して、文化レベルが上がるとはとても思えないですよね。

こちらは10年前に出かけた時に撮影したライプツィヒの中央駅。
32年以上前の面影は全くなくて、とても近代的で綺麗で便利です。
この駅で33年前に買ったチョコレートは「黒い甘い板」でとても不味かったのは忘れられないけれど。

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