本やCDが大好きで沢山集めていたshirousagiです。
「本は文化」とか文化財であるとか言われますよね。
このブログでも何度か紹介しましたが、断捨離がブームとなっても本(とCD)だけは簡単に捨てるべきではない、と言った意見をよく耳にします。
私もそう考えていました。
本は文化財なのに捨てるなんて酷い、と。
それはもう、本を持っている人は文化的レベルが高い!と。
本も内容が古くなり、役に立たなくなるものもある
「本」と一言でいってもこの世には実に様々な本があります。
「本=文化」とはいえ、内容に間違いが多く含まれているものや著者の偏見が酷い本もあります。
また、内容が古くて現在では全く役に立たない本も。
子供の頃は古典的な名作文学や偉人の伝記などを読んでいたので、本自体が古くなろうと内容が古くなる、という考えはありませんでした。
ところが、本の断捨離をするにあたって久しぶりに本棚から10年くらい前に買った本を取り出してびっくり。
知識として取り入れるには内容が古すぎたり、今だともっとわかりやすく説明された本があったり。また、エッセイでも読むに耐えないものなど。
本という形をしていれば全てが文化である、とは言えない!
古い楽譜を沢山もらったけれど
また紙というのは残念ながら劣化します。
せっかくの楽譜をいただいたのですが、そのほとんどを手放しました。理由の一つが劣化した紙によってアレルギー反応が出たり、紙屑が出て譜面台が汚れたから。
遺品となった沢山の本をもらった家庭
とはいえ、やはり本は捨てるにはもったいない!と思いますよね。自分が不要になったと思えば読みたいという人に差し上げたい。
「欲しい!」と思う人が見つかって、その人に差し上げるのなら問題ないと思います。
ですが、遺品となった本を遺族が受け取るのは…迷惑になっているかも!
私の生徒さん宅に、リビングの一面にオーダーメイドで作った本棚が取り付けられている家があります。
私がその家庭に出張レッスンに行き始めた頃には、その本棚はありませんでした。
ごく普通のテレビ台や飾り棚などが壁についていました。
ある日、ケルンに住むその家庭のお爺さんが亡くなられました。そのお爺さん、大量の本を持っていたのだそうです。それで遺品となった本を受け取ることになったから、という理由で壁いっぱいの本棚をオーダーメイドされたのです。(結構なお値段がしたはず)
スライド式の文庫本専用の棚もついたその本棚はとても素晴らしくて大きく、その本棚に「お爺さんの遺品である本」がずら〜と並べられました。
すごいです!まるで図書館みたい!
棚に隙間なく並べられた本の山。
すごいな〜かっこいいな〜
私もこんな本棚と本が欲しいな〜
その本棚を見た時、私は最初にそう思ったのです。
でも、数年ほどその家庭にレッスンで通い続けているうちに、本棚にある本は読まれていないことに気がつきました。
並んである本を見ても、どれも古い(当たり前か)。観光ガイドブックなどもあって、いくらなんでもこれは役に立たないだろうなあ、と思ってしまう。
ましてや今は情報はネットで手に入るし、世の中の移り変わりが早いから情報などがすぐに古くなってしまう。
「本は文化だから捨てられない」と捨てずに残された人に譲り渡すのも、誰も気が付かない(受け取る方も本は文化だから捨てたらいけないと思っている)けれど実は迷惑になっているかも、と思ってしまうのです。
本棚を注文して設置してもらって、ケルンまで大量の本を受け取りに出かける。
これだけでも手間とお金と時間がかかっています。
大量の本、せめて少しだけでも、もう役に立ちそうにないものだけでも捨てる。それでも残ったものを遺品として受け取ればよかったのになあ、と思いつつ、その大きな本棚のある部屋で出張ピアノレッスンをしていた私でした。
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