今朝、淹れたてのコーヒーとともに日本のTV番組を見ていたら「無料バスツアー」独自取材というのをやっていました。
日本の「無料バスツアー」、ハガキでバスツアーに当たった、という知らせが届き、無料でスケジュールいっぱいの観光&ランチなどをして、最後に宝石など高額なものの販売勧誘をする場所に連れて行かれる、というものだそう。
これを見て思い出したんですよ、ドイツでもこの手のバスツアーが盛んだった時代を。(今でもあるのかもしれない)
郵便受けに頻繁に入っていたチラシ

私がドイツに来たばかりの頃だったから30年以上前のことだけど、郵便受けに絵葉書のようなチラシが頻繁に入っていました。
「哀愁の黒い森ツアー!豪華なお土産3点付き、ランチもついておひとり様たった5ユーロ!」
みたいな感じで。(上の文章は私の勝手な創作です。第一、当時の通貨はマルクであってユーロじゃなかったけど)
ドイツでよく見かけたバスツアーは
- 有料だけど激安!
- お土産つき(その地の特産品カゴいっぱいとか←さくらんぼカゴいっぱい、とか)
でした。(なのでこの記事のタイトルには(無料)と括弧付きなのよ〜)
初めてこの手のバスツアーのチラシを見た時の私、

え?こんなに安くてこれだけお土産がもらえて、有名どころへ連れて行ってもらえるの?
すごいお得なツアーだなあ〜
いやほんと、参加した人がたくさんいてもおかしくないくらい、魅力的なツアーに見えました。
日本の「無料バスツアー」と同じく、観光地をいくつか回ったあと、周りには見物するようなものがない場所に連れて行かれ、高額商品の押し売りイベントに強制参加させられるもの、だったようです。

私は参加したことがないし、報道番組を見たわけでも、参加した人の話を直接聞いたわけでもないけれど、
このようなツアーだと噂で聞いたわ
このツアーが東西統一直後の東ドイツで人気だったわけ
「人気」と言っても、果たしてどれだけの参加者がいたのか、配ったチラシの数から何%の参加者が出てきたのかはわかりません。が、東ドイツで身近に「参加したよ〜」という人がいました。それも複数。
しかも、「楽しかったからまた行きたい!」というリピーターも。
いやこれ、ほんと、ベルリンの壁崩壊直後、東西ドイツ統一直後の東ドイツ人には夢のようなツアーだったと思うのですよ。
なぜ人気だったか?
- ドイツ人は旅行が大好き=毎日の食事を黒パンオンリーにしてでも旅行に行きたいドイツ人。でも東ドイツ時代はあまり自由がなかった。公共の交通も発達していなかった。それが格安でバスで観光地に行ける!(自家用車を持つのは夢だった)
- 買いたくても物がなかった=共産主義の時代はとにかく物がなかった。お店に商品がなかった。それがバスツアーではタダでもらえるお土産までついている!
- セールスに慣れていない=資本主義ではなかったから、販売勧誘・物を売り込む人の存在を知らない(多分、高額商品のセールスでも押し売りのように感じてなかったのかと思う)
ベルリンの壁が崩れた直後の東ドイツ市民って、これまで押さえていた旅行熱、そしてお金の使い方がわからないという点では
このバスツアーはお客にも提供するツアー会社側にも魅力満点だったと思うのよね…

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