ドイツに来てまだこちらの生活に慣れていなかった頃に私が知り合った人、友人になった人の多くが私より年上です。一回り以上年上の人も多くいます。
知り合った頃はあちらは現役バリバリ、こちらはドイツに来たばかりで右も左もわからずひよっこ。
それが30年という月日が流れ、お世話になった知人友人は高齢者に、そして私はシニア世代の入り口にたっている身となりました。
すでに亡くなってしまった知人、介護施設に入った友人、自宅でヘルパーさんに助けられながら生活をしている友人…
いつかは我が身だ、自分も介護施設に入るかもしれないし、自宅介護でヘルパーさんに助けられながら生活しているかもしれない。
そんなことをよく思う毎日なのですが、ふと日本にいる友人が「いつかは親の介護をしなくてはならないから、子供は作らない。仕事はリモートで出来ることをする」と言っていたのを思い出し、ちょっと悲しくなりました。
親の介護のために子供が犠牲になる?
私は自分の親の介護の経験がありません。父親は早くに亡くなり、母親は半身不随になり介護施設に入居しざるを得なくなりました。
夫の実家も私たちの家から遠いので、義両親の介護も経験していません。
在宅で家族が介護をする場合がどうなるのか、実際には私は経験していません。
ただ、もし、「家族が介護しないなんて薄情!」と言った意見があるのなら、それは悲しい。
そして、介護のために子供が離職をするようになると、それはもっと悲しい。ましてや、だから子供を作らない、ってこれ以上、日本の出生率が下がってどうするんだ…
家族や友人ではなく、ビジネスライクにしてもらう方が良いこともあるのでは?
一人暮らしのHさん、体が少々不自由になったので介護認定を受けました。
私はその場にいなかったので、実際に介護認定の時にどのような会話がされたのかわからないのですが、Hさん「他人に助けられるのは嫌だ。他人が家に入るのは嫌だ」と言って自分であれは出来る、これも出来る、と申請したとか。
特に日本人には家事代行だって家にいれたくない、他人に自分の家に入られるのは嫌だ、という人が多い気がします。
が、自分でするのは大変なのに、保険で費用が賄える(=子供らに迷惑はかからない)のなら無理をせずに「〇〇は自分一人ではできません」とか申請すればよかったのに、と思ってしまいました。
(実際、一人ではできないのに、他人にやってもらうのが嫌で「出来る」と申請している)
そりゃ、他人を家に入れると何か盗まれたりと言ったトラブルが全くないわけではないけれど。
排泄問題など他人に手伝ってもらうのは抵抗があるかもしれないけれど、家族、子供にやってもらう方がもっと抵抗があるような気がします。
介護施設に入居している友人のGさん(女性)、トイレに行きたくなると施設の職員を呼ぶのですが、施設も人不足でなかなか来てもらえない時、私がお手伝いをすることもたまにあります。
その時は本人は本当は恥ずかしい気分だと思うのです。旧知の仲だけに。
私は絶対安静だったり、骨折をしたり、で何度かトイレからシャワーまで看護師に手伝ってもらったことがあります。
そりゃもうお年頃ではなかったけれど、看護師に手伝ってもらうのはあまり恥ずかしい気持ちはありませんでした。相手は仕事でやっているし慣れています。看護師は私の友人でも家族でも知人でもありません。
でもね、これを家族、特に娘にやってもらうとなると、ちょっと惨めな気分になるかもなあ、と思ったのです。
そして、家族間って我慢がきかないですよね。言いたいことをズバズバ言ってしまう。

習い事などで自分の子供を教えるのはやめた方がいいのと同じ感じだと思うの
(自分の子だと感情にブレーキが効かなくなって叱ってしまう)
友人の元気だった頃の写真を見て
友人Hさんが必要な薬の処方箋を受け取りに私がホームドクターのところに出かけた時、Hさんの保険証(写真付き)を借りました。
保険証に写っているHさんのパリッとした顔写真を見た時、「これだけびしっとしていてカッコよかったのに。Hさん自信も先輩面をしていた私に対してこんな姿を見せて辛いかも」
自分の一番良かった時代を知っている人にヨレヨレになった自分を曝け出すのもなんだか辛そうな気がしてしまいました。
すでに何度かこのブログで紹介させてもらっているこの本。
Audibleで2回目を聴きました。
レビューで「世間一般的な事へのアンチテーゼ的な印象」というのがありましたが、確かにそのような感じがしないでもない。でもそれだけに「心配性な日本人がしている心配事はそれほど心配することでもないよ」と言った内容で、この本を読むとこれからの人生が明るくなる…かも!
本日はこの本の「子供の『介護離職』は絶対に止めるべし」「家庭内介護で起きる『介護虐待』」を読んで想いついたことをダラダラと書きました。
最後まで読んでくださってありがとうございます!

にほんブログ村
応援クリックをありがとうございます!
コメント