先日も紹介した、ユーハイムのドイツ店に勤務していた押尾愛子さんの著書「お菓子の国から 新装版: ドイツケーキの12か月 」。
この本は著者がドイツで過ごした1977年からの3年間の経験をもとにドイツのお菓子に関することが書かれた本です。
この本の最後には「幻の東独お菓子紀行」と題した、著者の東独での経験が書かれていました。
押尾愛子さんはおそらく1979年に東独を旅していると思います。私が東独に行ったのは1988年頃。
東独で西独では見られなかったお菓子を探したという旅の様子に、私も大昔に行った東独の旅の一コマを思い出しました。
ドイツ人の好きな飲み物は圧倒的にコーヒー!なのに
ドイツというとビールのことを思う人は多いと思うのですが、私の体験からだとビールを飲む人はそれほど多くなくて、むしろ日本人の方が「夕食にはビール」ではないかと思うくらいです。
ドイツ人の多くが好んで飲む飲み物といえばコーヒー。私はドイツ人の国民的飲み物はコーヒーではないかと思っています。
ある調査によると、ドイツ人の好きな飲み物は
- コーヒー
- ミネラルウォーター
- ソフトドリンク
- ビール
- 牛乳
- ティー
- ジュース(果汁)
- ワイン
- アルコール飲料(スピリッツ)
- スパークリングワイン
なのですって。(こちらから)
日中に友人らを訪問したら出てくるのはコーヒーとミネラルウォーター。夜だとミネラルウォーターだけということが多く、仕事場でもコーヒー。
最近は飲み物のバリエーションが多くなったけれど、その昔は「コーヒーと水しかない」ということも頻繁にありました。

おかげで私は日本ではあまりコーヒーを飲まなかったのに、
ドイツに来てすっかりコーヒー党に
それくらい、ドイツだとどこに行ってもコーヒー。知人などを訪問すると何も言わなくてもコーヒーがやってくるくらい、コーヒー!
東独旅行中にレストランに入ったから
すっかりコーヒー慣れしてしまっていた私。休暇を利用して東独の旅に出かけました。
東独はビザがないと入国できないので、東独に住む人に身元引き受け人(だったかな?)の役をしてもらってビザを申請。その東独に住む知人に東ベルリンを案内してもらいました。
博物館などを見て歩き、できれば休憩しよう、と大きめのレストランへ。運良く席が空いていて座ることができました。(東独にはカフェやレストランがとても少なかった)
時間はもう午後3時頃。さすがにお昼ご飯の時間は過ぎています。
とにかく座りたくて入ったレストラン(と言ってもカフェタイムもあった)。すぐにウエイターが来たので「急いで何か頼まなくては!」(すぐに去ってしまったら次にはいつ来てもらえるかわからない!)
そこで私は思ったのは

そうだ、コーヒーだ。
ドイツ人の大好きなコーヒーならあるだろう!
東独にはメニューに書いてあっても実際には提供できないものが多く、そもそもお店に行っても売っていないものが多かったのです。
なので、いくら東独でもこれはあるだろう、と思ったコーヒーを注文したら
「ありません!」
え?ないの?ドイツの国民的飲み物のコーヒーがないの?
うそだろ〜!!
(仕方なく、ソフトドリンクにした。果汁入りジュースも期待薄だったから)
よく考えたらコーヒーは貴重な飲み物だったのだ
あの時は本当に「なぜコーヒーがないのよ?」と思ったけれど…
よくよく考えたら、コーヒーってコーヒー豆ってドイツでは育たないものでした。輸入品ですよね。
共産主義国だった東ドイツは外貨がなくて多くの国からの輸入はできなかったのです。
なのに、私は「ドイツ人はコーヒーが大好きな人が多いからコーヒーは東独だってあるだろう」と短絡に考えてしまっていたんです。

幻のお菓子を求めて東独を旅した押尾愛子さん。残念ながら東独で探していたケーキには出会えなかったそう。
「カフェが見つからない」と書かれていたけれど、本当に当時の東ドイツにはカフェやレストランが少なくて、あっても提供してくれるメニューが少なくて、私は東独を旅行していたのにケーキを食べた記憶がありません。
一般家庭にお邪魔して、そこの人が焼いたケーキは食べたのだけど、カフェでケーキを食べた記憶が全くないのです。
ドイツらしくないなあ(私の思うドイツらしくない)

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