今年の10月にはショパンコンクールが開催されます。
日本からは13名が本大会に出場することが決まりました。ドイツからは1名です。
人口を考えても、日本からは13名なのにドイツからは1名というのはあまりにも少ない。国際的ピアノコンクール参加者を見ると、大抵日本人や中国人が多いので(中国人は人口も多いから多くなる)誰も驚かない事実かもしれません。
それでも私がドイツ人にピアノを教え始めた頃、ドイツ人のあまりにも音楽に対する無知さ、不器用さ、そしてマナーのなさにびっくりしたものです。
「どうしてドイツ人にピアノが弾ける人が少ないの?」
私が日本の友人に「ドイツでピアノを教えている」というとちょっとびっくりされます。(私は大学で音楽を勉強しましたが、音大でもなければピアノ専攻でもありません)
よく「え?ドイツって音楽の本場でしょ?その国でピアノを教えているなんてすごい!」と。
事実は全く違うのです。私でもピアノを教えられるくらい、ドイツ人生徒さんは上達が遅く、練習もしないのです。
つまり、ピアノが下手!なのです。
ピアノに真剣に取り組んで、しっかり練習して、家族も子供がピアノを学習するのに協力的、という家庭ももちろんあります。だから高校生くらいでショパンのバラードなどを綺麗に弾きこなす生徒もいます。
だけど、大抵の生徒はピアノを5年習っても「エリーゼのために」すら弾けないのです。(「エリーゼのために」を最後まで弾くことができれば、この国では「私はピアノが弾ける!」と胸をはって言うことができます)
私がこの事実に気がついた時、あるドイツ人に尋ねました。
「ドイツって、ベートーベンやバッハ、ブラームスといった大作曲家を生み出しているのに、どうして今のドイツ人って、音楽ができないの?どうしてピアノを習ってもこんなに下手なの?」と。
(いや〜ドイツ3大Bになったけれど、これ、ドイツでは言われない)
その答えは(あくまで、たった1人のドイツ人の回答だけど)
「ドイツってね、たま〜にすごい人が出てくるんだけど、大抵の人は何の才能もない、無能なんだよ」
「上澄み」の人はとても立派なのだけど、多くのドイツ人は…

先日も「上澄み」という言葉を使ったけれど、日本人は少なくとも私が日本にいた30年前は「国民皆中級」と言われ、当時はあまり貧富の差もなく、そして知的レベルの差もあまりなかったのです。
ところがドイツに来てびっくり。30年前の当時でも「頭がいい人はほんの一握り」なのです。そのほんの一握りの知的レベルの高い人が、世界的にもずば抜けて高くて(おそらく他の欧米諸国もそう)世界的に目立つ。
日本ではそのドイツの(外国の)「上澄み」の人だけが紹介されて、それを見た日本の人は「ドイツ人ってすごいな〜」と思う。
いや、違うから。
ほんの一部の人は本当にすごいよ。頭脳が優秀だったり、スポーツで優秀な成績を収めていたり、とても良いアイディアを出したり、とても親切だったり。
だけど、その他大勢の人のレベルがあまりにも低すぎる。
とても低いのよ。不親切だし、差別を平気でするし、わがままだし、簡単な計算すらできないし…

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