NHKEテレで今年の4月から放送されている「3ヶ月でマスターする絵を描く」。
講師はYouTubeでお馴染みの柴崎春道さん。説明の仕方がとてもわかりやすく、絵画には興味が多少はあるけれど、絵を描いてみようという気はないこの私も、毎週楽しみに見ています。
前回の放送で、風景画を描きつつの柴崎さんの話の中に
寒いところには寒い時期に、暑いところには暑い時期に行く
というのがあったのです。
寒いところには寒い時期に出かけて、その土地の寒い様子を描く、暑い時には暑い時期に出かけて…
その土地を知るには、その場所の特性を知るにはそうなんだ、と同感しました。
北海道には夏に、沖縄には冬に行きたい、と思うけれど
今年の一時帰国では生まれて初めて北海道に出かけました。3月の北海道というとまだ雪が降る日もあり、結構寒く、「できるものなら夏に来たかった」と思いました。
今年の3月の日本はまだ寒くて、こんな時は沖縄に行ってみたい、とも思いました。
ところが、前述のように、画家の柴崎さんは「寒いところには寒い時期に行くとその土地がよくわかる」といったような趣旨のことをおっしゃっていたのです。
最初は「そりゃ、厳しいわ…」と思っていましたが…
3月の、まだ雪が多く残っている雪国をみて
柴崎さんの話を聞いてすぐに思い出したのは、今年の一時帰国での旅の中で一番心に残っていることです。
それは3月の始めに特急「ひだ」に乗って見た富山の風景。
今年の一時帰国では鉄道を利用して色々な場所に出かけましたが、一番心に残っているのは富山の風景です。
これまで富山に行きたいとも思ったことがなかったのに、あの風景を自分の目で見た途端、「一度ゆっくり富山に行ってみたい!」と思ったのです。
それはこれ。

瀬戸内海育ちで雪知らず。ドイツでも雪の少ないデュッセルドルフに住んでいるので、これまた雪知らずな私。
これだけの積雪を私は生まれて初めて見たのです。
駅の駅名がかかれた立ててある看板は雪に埋れ、家屋の1階分くらいの積雪。
これだけの積雪でも家が潰れないような工夫や1階部分の窓が雪に覆われないように立ててある板。(写真ではわかりにくいですが)
これだけの雪が降る地域がある、とは知っていましたが、実際に見たのは初めて!
そして、豪雪地域に本当にどれだけの積雪があるのか、どのような対策をとっているのか、列車の中からだけだけど、本当に見ることができて、富山の山間部の様子を見ることができて、とても感動したのです。

夏に特急「ひだ」に乗って富山を走っていたとしても、景色の良さに感動したと思うのですが、特に富山だという印象は残らなかったと思います。
山と川の風景の綺麗なところ、くらいの印象でしょうか。同じような風景のところを他の場所で見ることもあったでしょう。
ところが寒い時期に行ったから見ることができた、この積雪量!
ここで私は「富山ってこれだけ雪が降るのか!」とびっくりして、日本海側の冬の厳しさを垣間見て、そして私の心には「富山」という地名がしっかり印象に刻まれたのでした。
私は絵は描かないけれど(時間があったらチャレンジしてみたい)番組を見ていて、絵画に詳しくない私には美術館で鑑賞する時の参考になりました。
番組で説明されている絵の描き方や風景や物の見方は絵を描く時だけではなくて、写真撮影や音楽にも通じることだなあ、と毎回とても興味深く見ています。

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