ドイツといえば、制限時速のないアウトバーンが有名ですね。
私がドイツに来たばかりの時(30年くらい前)に、知り合った、英語がペラペラの友人が、「よくアメリカから来た人を案内するのだけど、そのお客さんに『アウトバーンをベンツで走りたい!』とよく言われるのよ」と語っていました。
そう、時速制限のない高速道路、アウトバーン。車の運転の好きな人には、アウトバーンを走り抜けるのは憧れかも!ですね。
しかし、時速制限がないので、スピードを出しまくるドライバーがいる。すると環境によくない、事故も起こりやすい、と
「アウトバーンに時速制限を設けよう」
という提案が出されていました。この金曜日(2020年2月14日)に却下されましたが。
ドイツのアウトバーンの70%は制限速度がありません
ドイツのアウトバーンの70.4%が制限速度がありません。
ということは30%近くのアウトバーンには制限速度があります。私がたまに使うところも確か130km/h。
こういった制限速度のあるところは道路がカーブしていたり、山と山の間の谷で風が吹き抜けるところだったり、橋の上だったり、トンネルの中だったりします。
「いくらアウトバーンとはいえ、ここは130km/h以上で走ると危ないですよ!」と言ったところは制限速度を設けてあります。(なので、絶対に守った方が良い!)
どうして何度も「アウトバーンに制限速度を!」と提案されるのか?
それには主にこの2つの理由からです。
アウトバーンに制限速度を設けるのは温暖化対策に効果的?
ドイツ国内での温暖化対策、CO2の排出量に関しては車の運転では全CO2排出量の12%なのだそう。
アウトバーンに120km/hの制限速度を設けても、CO2の排出量はたったの0.5%しか減少しないとか。
それよりも交通渋滞を出来るだけなくすようにした方がCO2の排出量を減らすのは効果的です。
アウトバーンに制限速度を設けたら、死亡事故が減る?
200km/hくらいのスピードで飛ばす人も結構いるアウトバーン。制限速度を設けたら、追い越し車線でビュンビュン飛ばす人がいなくなって事故も少なくなるかも?ですが、
制限速度が設けられていない今でも、少なくとも死亡事故は減少傾向にあるとか。
1970年には21,332人が自動車事故で犠牲になっているのに対し、2019年は3040人と減少しているそうです。よかった・・・・
(それでも3時間に1人が交通事故で亡くなっているとか)
交通事故がよく起こるのはアウトバーンよりもむしろ郊外の道(Landstraße)
死亡事故の割合は
- 郊外の道=56%
- 市街地=31%
- アウトバーン=13%
と、アウトバーンでの死亡事故は意外と少ないのですね。
これは確かにそうだと思います。
私は結構、郊外の道路を走っていますが、走っていてあまり気持ちよくなく、好きではありません。
郊外なので、交通量が多くない、という理由からか、
- 制限時速が最高100km/hと結構速く走れる なのに、
- 道路にはガードレールがないところも多い。ガードレールがないのに、道路の端は畑などで、下手をしたら車ごと落ちる!(日本で田んぼに落ちる様な・・)
- 道路の端には木が植えてあるところも多く、下手をすると木にぶつかる!
- 対向車線がある、対向車が走っている(アウトバーンだとガードレールなどで対向車線は区切られていますが、郊外の道はセンターラインのみ)
怖いのは、トラクターや(畑が続くところではよくある)トラックなどの大型車に後続する車が対向車線に出て追い越しをしようとする時です。
気持ちはわかりますが、(100km/hで走れる道路を延々と70km/hでトラックの後を走るのが我慢出来ないとか)
対向車が全くいないとわかる見通しの良い道路ならともかく、対向車がいるのに、無理をして追い越ししようとするドライバーが結構いるのですね。(こう言った無理な追い越しをしようとして事故を起こし、亡くなった方を知っています)
そして、畑の中にある道などだと、それほど幅が広くないのに片側通行ではなく、対向車がくると「止まらないと畑に落ちてしまうか、対向車にぶつかるのではないか?」と思うような道路もあります。でも制限時速は100km/h! 速度違反している車もよく見かけます。
ところで、ドイツで郊外の道で20km/hくらいの速度違反をした場合、違反金はわずか30€(約3600円)なのです。が、スイスでは同様の違反で約230€(約27,000円)の罰金なのだそうですよ。
ドイツも郊外の道での交通違反はもっと厳しくして欲しいなあ。
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