ドイツ生活は終わったわけではなくてまだまだ続きそうですが。
音楽を勉強していて、ドイツ音楽とドイツ語に興味を持ったからドイツという国を直接見てみたいと思い、この国にやってきて早くも35年。
まさかこんなに長くこの国に滞在することになろうとは夢にも思っていなかったのに、人生とはわからないものです。
SNSを見ていると、海外在住の日本人は日本が嫌いだから海外に出たのだろう、とか色々な意見があるけれど、日本が好き、嫌いじゃなくても、なぜか海外に来て、夢にも思わなかった長期滞在することになってしまう、ってあるのよ。
私の知人も死ぬまでドイツだと言っているけれど、「まさかこうなるとは思わなかった。人生は本当にわからない」とぼやいているわ…
海外生活、特にヨーロッパはキラキラしているように思われる
このブログでは何度も書いている通り、ヨーロッパ生活はキラキラしている..ことはありません!
それでも35年前から「ドイツ在住」という度に日本人の知人、友人に羨望の眼差しで見られたのです。
「ドイツに住んでいるの?いいわね〜」と言われるのがとても嫌だったわ
35年前からドイツ生活って全く便利さには程遠いものだったのよ。今もだけど。
日本人が憧れるほど欧州ってキラキラしていないのよ!!「こんなものもドイツにはないの?ドイツ人って気の毒!」と思ったくらい。
30年前にはパリに憧れてパリ生活を始めた人がメンタルをやられた話をよく耳にしたものです。
「パリシンドローム」って言葉がよく言われていました。
「花の都パリ」って言われていたから余計に素敵な優雅な街だと思われていたみたい。いや35年前も犯罪は多かったし、街の裏側は汚かったわ
海外在住に向いているとは思えない私が30年以上ドイツで生活できたわけ
ドイツ留学を始めたその当時から「ドイツって住みにくいなあ」と思っていましたが、最初に住んだ街は実は時代もよくて留学などの外国人には住みやすい街でした。
とはいえ、ドイツ生活がキラキラしていて、とても過ごしやすくて素敵な国だと思ったわけではありません。まあ、「永住になってもなんとかやっていけるかな?」という程度です。
我慢しなければならなかったことは山ほどある。ドイツ生活初期にはホームシックにかかって布団をかぶって泣いたことも数えきれないほどある。
そんな私がそれでも30年以上にわたってドイツ生活を続け、まだまだ終わりの見えないドイツ生活を今後も続けていっても「まあ、いいか」と思っていけるのは以下のような理由からかな?と思っています。
ネットで見聞する、ドイツ生活が嫌になった人の意見から想像した、私がここでの生活に我慢できる理由です
1. ドイツ生活を始めたのが若かった
私は日本の大学を卒業してすぐにドイツに来ました。まだ日本の習慣をよく知らなかったし、怖いもの知らずだったし、それに環境の変化にも順応できる年齢だったのでしょう。
2. 実家が貧乏だったから日本の便利さに慣れていなかった
日本の方が便利なことが圧倒的に多いけれど、家が貧乏だとその便利なものを使えない環境にあったのです。
おまけにまだ昭和の時代に日本を飛び出しているので、例えばトイレも暖かい便座を知らずにドイツ暮らしをスタートさせました。
なので「便座が冷たいなんて!」と悲観的に思うことはありません。
コンビニのない田舎に住んでいたので(学生時代はアパートの近くにコンビニがあったけれど)コンビニのない不便さも感じません。
3. 食事にこだわりがなかった・洋食が好きだった
元々実家では緑茶すら出なかったし、朝食はパンだったし、家で刺身やすき焼きを食べた記憶もないし、お寿司といえばチラシ寿司だったし。
子供の頃によく食べていたのはスパゲティーだったりハンバーグだったし。
なので、数年刺身を食べなくても、数年間お寿司を食べることができなくても生きていける自信があります。
ドイツのスーパーで入手できるお寿司を食べるくらいならソーセージを食べたい…
4. 週末の楽しみがショッピング、ではなかった
ドイツに暮らしていると日曜日にショッピングをすることが出来ないのがつらい。一体日曜日にどうやって時間を潰せばいいの?という悩みを聞くことがあります。
私は高校生の頃は日曜日になると電車にのって街に出かけていました。だからといって週末にショッピングができないドイツの暮らしに不便は感じていません。
大学生になってからは週末といえどショッピングをする暇がなかったから(バイトに明け暮れていたから)
5. ファッションや化粧にあまり関心がなかった
一般的にドイツ人の女性はあまりお化粧をしないし、ファッションにもそれほど興味がない人が多いです。着ているものが実用的なものばかり。
お化粧やファッションに全く興味がないわけではないけれど、そのためにお金を使うくらいなら楽器を買いたい、と思っていた私は日本にいた頃はお金は化粧代、洋服代にできるだけかけないように生活していたので、ドイツに来てからそれらにあまり気を使わなくてすむのがとても嬉しかったです。
ドイツには欲しい服がない、という別問題もありますが。(いまはユニクロなどがあるので問題解決)
6. 一人で長時間過ごしても苦痛にならない
いつも大勢の人に囲まれてワイワイしたい人には海外生活は合わないかもしれません。
ドイツ人と心から打ち解ける友人ってできそうにないし、ドイツ人も保守的で外国人を心から仲間にいれてあげよう、としてはくれません。毎日ドイツ語ばかり喋るのも疲れます。
一人で部屋に閉じこもっていても平気という性格の方が外国暮らしには向いているかと思います。私はピアノとPCがあれば何時間でも1人で家にこもって作業を続けることができてしまいます。
7. 言語を使わなくても大勢の人と一緒に楽しめる趣味があった
ドイツに来たばかりの時に「音楽をやっていて本当に良かった」と思いました。
大学では合唱団に入っていたし、近所の教会でも歌を歌ったりフルートを吹いたりして友人を作りました。
子育て中はママ友達が入っていた吹奏楽団に入団してドイツ人と交流をすることができたのです。(その点はピアノだと一人で完結してしまうので、何か管楽器とか弦楽器が少しでもできると楽しいかも。ちなみにドイツ人のアマチュアだとそれほどレベルは高くない)
8. 語学学習が好きだった
最後に、ドイツ語学習は好きだったのです。
やはり住む国の言語に興味があるとその国に滞在するハードルが少しは低くなります。
(私の場合はドイツ語に興味がなかったらドイツに来なかったけれど)
それほどコミュ力が高いわけでもないので海外暮らしは辛いことも多いけれど、以上の理由でこれまでなんとかやってこれたのかな〜?
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コメント
昨日書いた、ドバイチョコレートのコメントを投稿前に失ったので、短く、そちらを先に。
夫がネットで超高価なドバイチョコレートのことを見て、独人は相変わらず流行りモノに弱いなんて言ってましたが、私はそんなに美味しいなら食べてみたいなーと思っていたところでした。
中東、トルコのお菓子は劇甘のものが多いですよね。ドバイチョコレートも似たところがあるのですね。エジプト旅行に行った時に好きだったパイ菓子と似た詰め物の様なので、どこかで見かけたら、高くても試してみたいと思いました。私はカダイフの食感が好きです。
先に日本の方の味覚でレポートを観ていると、安心して買えます。
いつも貴重な情報をありがとうございます。
そしてこちらの記事も、多くが私も~~と思うことでした。
私の場合は仕事が一番大きな理由ですけども。出稼ぎに来た感じです。
Shirousagiさんの様にドイツで地元の活動に参加できたりなどもなくて、仕事しかしてこなかったのが残念です。ドイツ人も日本人でも友人も作ることができなかったし。。。。
私も日本に居た時は洋食の方が好きだとずっと思っていたのですが、
ドイツに来て和食に目覚めたという悲劇。。。
日本で食べるご飯が美味しかったということですね、きっと。
今はネットがあり、本も電子で買えるので、これからの30年をドイツで生活するのは私が過ごした30年よりずっと楽だろうなぁと思います。
英語音声のハリウッド映画が観たくて、オランダまでビデオを借りに行ったりしてました。
音、映像、データの次は物流が劇的に早くて安くなると良いですね。
そうなっていたら、日本へ本帰国なんて考えなかったかもなーと思います。
Momoさん、
投稿前の失われたコメントを再度書いてくださってありがとうございます!
私もあれほど話題になっているから一度くらいは食べてみたいなあ、と思っていたらゲットできたので嬉しくなって写真を撮りまくりながら食べたのですが、
やっぱり甘い、それだけでした…トルコのお菓子にもピスタチオやカダイフが使われていますよね。よくケバブと一緒に買ったトルコのスイーツを思い出して、また買いに行こうかな?と思っています。
ないものねだりと歳のせいか、私も今や和食の方が好きになってしまいました。和菓子も大好きになってしまいました。が、美味しいご飯がなくてもまあ生きていけるかな〜?と思っています。
30年前に比べると本当に便利になりましたよね。しかもデュッセルドルフに住んでいると「お金さえ出せばなんでも手に入る」状態なので心のゆとりにつながっています。
コロナの時に4年ほど日本に帰りませんでしたが、「意外となんとかなるものだな〜」と思ってしまいました。
一時帰国しないとお金が貯まるし。
あ、でも今はまた節約してでも一時帰国!です。これだけを楽しみに毎日「もういくつ寝ると日本〜!」状態です。
10年くらい前に駐在でドイツにやってきた人が「いい時代にドイツに来たなあ」って言っていました。ネットが発達してから本当に便利になりましたよね。デジタル、ネットに感謝です。