音楽と美味しいものが大好きなshirousagiです。
クラシック音楽といえば、ドイツはもちろんシンフォニーコンサートもありますが、それよりも人気なのがオペラです。多くの街にオペラハウスがあります。
私の知り合いにもオペラハウスの歌手の方がいるので 時々、劇場に本格的なオペラを見にいきまます。
オーケストラにソリストに合唱に、そして舞台に衣装に・・本当にお金のかかる芸術ですよね。
芸術にお金をかける事が難しい昨今、オペラハウスも経営していくのは大変なようです。残念なことですが。
オーケストラに大舞台に、大勢の合唱に・・・と迫力のある本格的なオペラも良いのですが、
先日、楽器はピアノ1台(それもアップライト)、あとは歌手が5人、ダンサーが1人、というとても縮小版なオペラ「カルメン」を見てきました。
ところはデュッセルドルフ。
昔は貨物列車が通っていて、工場は倉庫などに使われていたらしい建物や敷地が現在はモダンアートやシアターとして使われているところがいくつかあります。
その一つに普段は演劇を上演して、演劇と食事を楽しんでもらうイベントを行っている建物、Theaterkantineで 特別にオペラが上演されました。
前述の通り、歌手はたった5人。そして歌を伴奏するのは(オーケストラではなくて)ピアノ1台。
オーケストラの多彩な音色が好きな私としては、ピアノ1台というのが少々不安(退屈ではないかな?という)ではあったのですが・・・・・
長いオペラが気軽に聴けそう、オペラハウスでなくて小さなホールという事はアットホームで歌手も身近に感じられるかも、と
ちょっといつもとは変わったオペラ に興味を惹かれて聴きに出かける事に!
チケットはあらかじめ知り合いの関係者にお願いしておいたのですが、チケットレス。
チケット代を払うと、Sekt(ゼクト・シャンパン)をいただきました。
「グラスが空になったら注ぎますよ!」
オペラが始まるまで、おつまみのナッツやオリーブとともに シャンパンを2杯いただいたわたしです。
ここですでに気持ちよ〜く「さあ、オペラを楽しもうか!!」テンションが上がってしまいましたよ。
オペラ開演時間になり、ホールに入ると椅子の横にはグラスとミネラルウォーター。
どうやら上演中でも飲んで良いようです!
ピアノ伴奏でオペラは始まりましたが、どうしてどうして、ピアノ一台でも十分!
オペラの演技やセリフ(「カルメン」はフランス語のオペラですが、セリフはドイツ語で上演されました)が楽しく、すっかり「カルメン」の世界へ!
幕と幕の間に(カルメンは全4幕)ワインも登場!
オペラを見ながら、聴きながら、ワインまで堪能させていただきました。
休憩中にはスナックもでて、オペラが終わったあとはスペイン料理。サラダに鶏肉、デザート(パンやチーズも)つき。(しかも大変美味しかったです)
オペラ上演中、休憩中、そしてオペラの後の食事で ワインを4杯以上は飲んでしまったでしょうか?
とにかく良質の音楽に(歌手の方は素晴らしい声を披露してくださいました)食事にワイン!
こんなオペラ鑑賞が出来るなんて最高!
と思った夜でした。
オペラというのは ストーリーが割と単純なのに、あれこれついて長くなっている事がよくありますが、今回のオペラはすっきりと無駄を省いた感じで、しかし、ストーリーはオリジナル通り。有名なアリアのほとんどは聞く事ができ、退屈を全く感じさせない上演でした。
合唱が好きな人には 合唱はないのでその点は物足りないかもしれませんが、私はそれほど合唱が好きではないので 本当に満足でしたよ!
こういった、気軽に楽しめて 食事やワインも楽しめるオペラ上演って良いですね!
聴きながらワインが飲める、とはいえ、上演中、物音がして困る、という事は全くありませんでした。(聴衆のマナーが良かった、というのもありますが)
そして、縮小版とはいえ、演奏の方は大変良いものでした。
本格的で作曲家が意図した通りにオペラ全曲演奏も良いですが、今回のような短縮版もオペラのエッセンスがしっかり味わえて良かったです。
食事やワインもついていたのも音楽鑑賞をさらに楽しいものにしてくれたと思います。
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ところで、このようなコンサートに出会うと必ず思い出す本がこれです。
元NHK交響楽団オーボエ奏者の茂木大輔氏が書かれたエンターティメントな本です。
2003年に書かれた本なので 少々古いですが。
この本の最初に「コンサートの未来」という項目があるのです。 まあ、現実するのは無理だろう、というくらい、思いつきで楽しく書かれているのだと思いますが、「こんなコンサートホールがあったら、聴きに行きたいな」と思わせてくれます。
書かれている内容そのままだと、実現不可能だと思いますが、リクライニングシートで音楽を聴く、とか、食事しながら、などは多少はどこかで実現されているのではないかな? と思うのです。
が、まだ実現されていなかったら たまにはワイン片手で生演奏が聴けるコンサートがあったらいいな〜〜と思ってしまった本日でした。
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