年末年始になると、今年・昨年の1年間の統計やトップニュースなどが出ますね。
今回は先日発表された「2019年にドイツで生まれた子供に一番多く付けられた名前ランキング」をお知らせします。
2019年に付けられた名前・ランキングTOP10
ビーレフェルト市の調査機関が毎年発表している「一番好まれている名前」のトップ10・2019年は以下の通りです。
男の子
- Ben (ベン)
- Paul (パウル)
- Finn / Fynn (フィン)
- Leon (レオン)
- Jonas (ヨナス)
- Noah (ノア)
- Elias (エリアス)
- Felix (フェリックス)
- Luis / Louis (ルイス)
- Henri / Henry (ヘンリー)
女の子
- Emma (エンマ)
- Emilia (エミリア)
- Hannah / Hanna (ハナ)
- Mia (ミア)
- Sophia / Sofia (ゾフィア)
- Lina (リナ)
- Mila (ミラ)
- Marie (マリー)
- Ella (エラ)
- Lea (レア)
相変わらず人気なのは短い名前
今回の調査はドイツの466の市町村、592のデータ元を統計したものだそうです。子供の数は177,570人。
これは出生数のおよそ23%にあたるとか。ちなみに2018年の出生数は787,500人です。(2019年の出生数はまだ統計が出ていません)
男の子の人気ナンバーワンの名前「Ben」はすでに連続9回目。女の子の名前「Emma」は2014年から4回も1位になっているとか。
全体的に見ても分かる通り、短い名前が人気です。
以前、2017年の子供に付けられた名前トップ10を記事にしているのですが、本当に短い名前が人気です。とある生徒のお母さんも「長い名前を付けても、省略してニックネームで呼ばれる事になるから、いっそ最初から短い名前の方が良いと思って!」と子供に「Jil」と付けた、と語ってくれていました。
確かに。
私の生徒に「Alexander」(アレクサンダー)という子がいましたが、彼の事をアレクサンダーと呼んでいたのは私くらいかな?(私は生徒の名前は省略せずに言っています)家族も友達も「アレックス」と呼んでいましたね。
Sebastian(ゼバスティアン)は「バスティアン」だし。(それほど短くなっていない気もするけれど)
流行の名前は北から、保守的なのは南
ドイツでもその時その時で流行になる名前があるそうで、それは「メディアで有名になった名前」という場合もあるそうです。なので2019年は「Greta」(グレタ)とつける親が多いのでは?と予想をたてた人も多かったらしいですが、それはどうやら外れたみたいですね。(とは言っても、去年よりは増えたそうですよ)
流行は大体、北ドイツから始まって、南に流れるとか。
現在、流行になっている名前は
- Frieda
- Ella
- Matteo
- Emil
といった名前なんですって。私の知っている子ではこれらの名前の子はいないな〜〜(最近は幼稚園と縁がないからかな?)
バイエルン州(あの、ミュンヘンとかある州ですね。南ドイツです)は保守的で、名前も保守的で、AndreasとかMichaelとかいった、50年前くらいにはとても人気だった名前が今でもつけられているそうです。バイエルン州以外ではほとんど付けられなくなった名前なんですけどね。(でも50年くらい前には大変好まれていたので、全ドイツでこれらの名前の人が山ほど!います。)
バイエルンでは、他にもバイエルン独特の名前もあるそうですよ。
- Xaver
- Korbinian
- Veronika
と言った名前がそうなのですって。確かに、これらの名前の子供はNRW州に住む私の周りにはいません。
名前は意味よりも響きで決める
アルファベットだと、日本のように漢字の文字一つ一つに意味があるわけではないですが、それでも名前には意味もあります。
が、その意味よりも発音、響きで名前を決める親が多いだとか。実は・・我が家の子供もそうです。私は響きで子供の名前を決めました。
最近の流行りは最後が母音でちょっと柔らかく響く名前なんだそう。特に女の子の名前はそうですよね。
ドイツでもいわゆる「キラキラネーム」が・・・
ドイツでは名前は「すでに存在する名前」でないとダメなのかと思っていたら、いわゆる「キラキラネーム」のような「ええ??」という名前をつける親もいるのだとか。
たとえば・・
- Aureliana
- Axella
- Dilda
- Lieschen
- Shyanne
- Achill
- Aureliano
- Ektor
- Willibert
- Duda
これらの名前を聞いても、「え?そうなの?おかしいの?」という感じですが・・日本人の私には。
外国人が多いので、慣れない名前も存在するかと思うのですが、これらの名前、やはり、親が子供に付ける時は気をつけた方がいい!というアドバイスが載っていました。
幼稚園までは子供同士でもあまり気にしないそうですが、小学校にはいるあたりから変な名前だとからかわれる、と言ったことがあるそうですね。
親として、どうしてもこの名前つけたいな・・だけどドイツでは一般的でないから、あとで子供が困るかも、と思っても、実はドイツには(おそらく欧米一般)解決策があるのですよ。
それがこれ!
ドイツでは2個以上の名前をつけることができます
そう、名前は2個以上付けることが出来ます。勿論、1つでも良いのですが、2つ以上の名前を付けて、そのうち一つを「呼び名」として届けます。
2つ以上の名前を届け出る
その届け出た「呼び名」(Rufname)は変更することが出来ます。なので、2個以上付けておいて、そのうちの一つを呼び名としていて、それが気に入らない、問題を起こす、などあれば、生まれた時に付けた別の名前を呼び名に変更出来ます。
例えば・・・
Müllerさん宅に女の子が生まれて、「Emma Mia」と届け出たとします。(Emma Mia Müllerですね)
親は娘をEmmaと呼びたいので呼び名はEmmaに決定して、そのように届け出ます。すると「Emma Müller」と呼ばれます。が、Emmaという名の子が多すぎる、あるいは・・そう、子供が「Emmaなんて嫌だわ!Miaの方がいい!」と思えば、呼び名は「Mia」に変更出来ます。
するとその子の名前は学校でも「Mia Müller」です。
2つの名前をハイフンで結ぶ
2つの名前をハイフンで結ぶと、両方セットで一つの名前になります。
例えば・・・
かの有名なヴァイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムターは
Anne-Sophie Mutter
です。AnneとSophieの間にーが入っています。すると アンネ・ムターともゾフィー・ムターとも言わず、いつでも「アンネ=ゾフィー・ムター」なんです。
2つ以上の名前をつけることができるので、ベスト10の名前を付けても他の子供と同じ名前だと心配する必要はそれほどないかも!
ところで、話を名前のトップ10に戻しますが、この統計、実は呼び名としてつけられているか、2つ目の名前としてつけられているか、は分けていないのだそうです。(呼び名を変更できるのですから、分ける必要もないですね)
ということは、先ほどの例の「Emma Mia」だとEmmaに1票、MIaにも1票入っている、という事になります。
なので・・・
「うちの子にSofiaという名前を付けたいけれど、これって、5番目に人気の名前ね。幼稚園に行くとSofiaって子がたくさんいて、「ゾフィアちゃん、おいで!」と言うと、大勢の女の子が来るのかしら?」
と心配しなくても良いそうですよ。それに、おそらくSofiaという名前は2番目の名前(呼び名でない名前)として付ける親が多いようです。
(実は我が家の子もそうなのですが)2番目にドイツでよくある名前をつける人が多くて、呼び名は割と珍しい名前をつける人が多いようです。
これ、納得出来ますよね。 「こんな名前を子供に付けたい!」という名前を付けて、でも、いざ、「この名前って何?」とか言われた場合に備えて(?)絶対安全な、ある意味古典的な名前をつける。
名前の保険みたいな・・・かな?
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