今年、2020年は、いよいよ来週の木曜日(2月20日)からカーニバル、2月24日は「薔薇の月曜日」(Rosenmontag)です。
このカーニバルの季節に食べられるお菓子が「ベルリーナー(Berliner)」と呼ばれる丸いドーナツです。
ドイツのパン屋さんで簡単に手にはいるドーナツです。
ベルリーナーとは
Berliner Pfannkuchen(ベルリーナープファンクーヘン)、略してBerliner、
またはKrapfen(クラプフェン)と呼ばれる、丸いドーナツです。
1個大体70g、その1個のベルリーナーに含まれる脂質は10-14gだとか。そりゃ、油で揚げれば、カロリーは高くなりますよね。
中にはジャムがはいっているものが多いですが、(特にドイツでは赤いジャム、オーストリアや南ドイツだと杏のジャム)クヴァーク(Quark)のクリームや卵のリキュールの入っているものも見かけます。
実は私は卵のリキュール(Eierlikör)の入ったベルリーナーが大好きです!
このベルリーナーと呼ばれるドーナツ、カーニバルがシーズンです!
ベルリーナーの誕生は?色々な説があります
ベルリーナー、いつ、誰が作り始めたのか、には色々な説があるそうですが、特に有名なものは、かのプロイセン国王フリードリヒ大王(2世)に仕えて、砲兵になりたかった菓子職人の話です。
彼は砲兵になれず、野戦炊事場で料理人として働く事になりました。野戦炊事場で仕事をしているうちに思いついたのが、大砲の砲弾(弾丸)の形をしたお菓子を作る事。野外ではオーブンがないので、油で揚げてつくったお菓子がベルリーナーの始まり、だと言われています。
(1756年の事だといわれています)
なるほど、そこはベルリンの近く。だからベルリンでフライパンに油をいれて揚げたからBerliner(ベルリンの)Pfann(フライパン)kuchen(ケーキ)、
Berliner Pfannkuchen!
しかもこの菓子職人が憧れた砲兵、大砲の玉の形です!
どうしてカーニバルにベルリーナーを食べるの?
カーニバルとは、その後の「灰の水曜日」から始まる6週間にもおよぶ「断食」前の大騒ぎ。
中世の昔、断食の期間には「肉、卵、乳製品」などは食べてはなりませんでした。これらの食品は長持ちしない、腐りやすいですよね。
そこで、その卵や乳製品を食べてはならない期間に入る前に、家に残った卵などを全部食べてしまえ!と御馳走に次ぐ御馳走を作っては食べ、大騒ぎをしていたとか。その時に卵やミルクを材料につかうベルリーナーを作るのはちょうどよかったのでしょう。
他の料理に混じって、ベルリーナーも作って食べて・・・カロリーも高いから、これでしっかりまだまだ来る寒い期間を乗り越えるための「皮下脂肪」を付けたのかしらね?
このベルリーナー、呼び名は地方によって違うのですが・・・
最初にも書きましたが、この丸いジャムの入ったドーナツ、Berliner PfannkuchenともKrapfenとも呼ばれます。
ベルリーナープファンクーヘン、主に、西ドイツでは「ベルリーナー」と(略して)呼ばれるのに対し、東ドイツでは「プファンクーヘン」と(略して)呼ばれています。
また、オーストリアではFaschingskrapfen(ファッシングスクラップフェン)とかKrapfen(クラプフェン)と呼ばれています。
他にも地域によって違う呼び名もあります。
ところで・・・・
プファンクーヘンとは、西ドイツではフライパンで作るクレープのような薄いパンケーキの事をいいます。(このパンケーキは東ドイツでは「Eierkuchen」(卵のケーキ)と呼ばれています)
旧西ドイツでも最西端の街に住んでいた当時、旅行でライプツィヒ(旧東ドイツ)に出かけた時の事。
ライプツィヒに住む友人の家に大晦日に招待され、伺ったのです。友人が身支度をしていて、私が彼女の家のキッチンで1人で待っていたら、「そこにプファンクーヘンがあるから、食べて!」との声。
お腹が空いている時間、しかも好きなプファンクーヘンがある! 喜んでキッチンを見回したのですが、
どこにも薄いパンケーキがない!!
そう、私はキッチン中を 平たい、丸い、クレープのようなパンケーキがないかと探しまくりました!まさか、丸い揚げパンのベルリーナーの事だとは知らず・・
うろうろとキッチンを見回す私、やがて支度ができた友人がキッチンにやってきて、
「ほら、これ!」
ああ、地域によって名前が違うって、本当に困りますよね。だって、プファンクーヘン(直訳してもパンケーキ)という名前からはどうやっても丸いドーナツは思い浮かばない!
で、この事件は大晦日に起こりました。そう、大晦日もベルリーナープファンクーヘンを食べるのが伝統なのですよ。
さて・・・今年も(カーニバルは好きではないのですが)ベルリーナーは食べるとしようかな?
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