ただいま、ドイツの大学はゼメスター間のお休み(Semesterferien)です。おそらく日本のほとんどの大学もそうかと思います。
この夏ゼメスター(Sommersemester)は理論系の学生は全て講義がオンラインで行われました。日本の大学もそのようですね。
せっかく大学に入ったのに、キャンパスに行けず、大学で新しい友人を作ることもできず、と、特に新入生の方は楽しみにしていたキャンパスライフを送ることができなくて悲しい思いをしている人が多いかと思います。
それなのに学費を払わなくてはならなくて辛い、という声を聞きます。
オンラインの講義は質が落ちる、というのは納得できるような、納得出来ないような・・というのが実は私の本心です。
これにはオンラインの授業を提供する側がどんな動画、またはライブを提供するかによると思いますが、
少人数ゼミでもなく、実習・実験のない科目、講義を聴くだけの科目だったら私はオンラインで講義を受けたかったなあ、と思っています。(私が学生の頃はネットなんてなかったのです)
日本の大学の授業の様子はわからないのですが、息子が勉強している大学では、コロナ以前からオンラインで動画も配信してくれる講義もありました。息子は月曜日など時にはすぐに下宿先に戻らず、大学に行かずにオンラインで動画を見て勉強をしていました。(コロナ以前は対面と動画の2本立ての講義がありました)
そのため、学生も教授らも動画を配信する事に慣れているのかもしれませんが・・・
ライブだけではなくて、YouTubeなどを使った動画で、いつでもその講義が聴ける(一定の期間)だと
- 聴きそびれる、すぐに理解できなかったらもう一度聴くことができる
- わからない単語など(たとえ外国語でなくても)すぐに調べることができる
- イヤホンやヘッドフォンをすると集中できる
- 他の学生のおしゃべりに邪魔されない
- 教授、講師の話すテンポを自分が聞き取りやすいテンポに変えることができる
と言ったメリットがあって、勉強しやすいなあ、と思うのですよ。
途中でコーヒーを飲みながら、水を飲みながらだって講義を聴けるではないですか!

もちろん、再度ですが、実験や実習、ゼミ、芸術系ではオンラインより対面の授業の方が何倍も良いと思います。
が、実技系でもオンラインでもデメリットばかりではありません。
大学生ではなく教える内容が高度ではないですが、私のピアノの生徒で、コロナ禍でオンラインでレッスンを受け始め今でもオンラインで受けている子がいます。
一緒に弾く、などは出来ませんが、オンラインのピアノレッスンですら、場合によっては対面より丁寧に教えられる、対面では出来ない面白さがあるレッスンが出来ることもあります。
生徒はすっかりオンラインレッスンが気に入っています。
もちろん、大学レベルになるとオンラインだけのピアノレッスンはかなり難しいですけどね。
そして、友人と一緒になにかしたければ、オンラインで仲間を集める、オンラインを通じて仲間になるという方法もあります。
このコロナパンデミックの期間、私の息子は大学の友人ではなく、すでに社会人である友人らとスポーツなどしています。その仲間の一部はオンラインで知り合ったそうです。
こんなことを思っていたら、堀江貴文氏ことホリエモンが同じような事を動画でおっしゃっていました。
しかもホリエモンは海外留学まで「時代遅れだ」と。
確かに、今は日本にいてもドイツの大学の講義を受ける事が可能です。(息子も「今の方が日程的には自由に日本に行けるね」と言っています。日本にいても、ドイツにいても同じ講義が聴けるのですから。日本での待機期間がなければ行きたいところです)
これに対して、
「外国に住む」という体験だけでもとても貴重だから留学はすべき
という意見も多いようです。
私は留学に関してはどちらの意見も納得できるのです。
確かに実際にその国に行って、その国に住んでみないとわからないことも多いです。テレビの報道や本に書かれていることだけではわからない、その国に行ってみて肌で感じること、その国の人と交流して本当にわかることも多いのです。
ですが、その国に留学しているのに、その国の事をよく観察せず、日本人ばかりと付き合い、せっかくお金をかけてきているだろうに、日本人と遊んでばかりいる留学生も残念ながら多いのです。
「こんなのだったらわざわざお金を払って留学なんかしなくても・・・」と。
留学するのであれ、日本にとどまって勉強するのであれ、オンラインであれ、対面授業であれ、
本当に大事なのは本人のやる気と工夫、ではないでしょうか?
対面授業が受けれない、という事実は学生の方からはどうしようもない、変えられない事なら、その事実の上で、「では、どうやったらもっと勉強できるか」を考えて勉強してほしいな、と思います。
留学の件でも、外国に行けなくても講義を聴く機会がある、という事は外国に行くお金がなくても、その気になればドイツなりアメリカなりの大学の授業を聴く事ができる、という事ですよね。
ある意味、ありがたい世の中になったものです。
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