早くも新学期(新学年)が始まったドイツはノルトライン=ヴェストファーレン州に住むshirousagiです。
今年は8月13日が入学式です。コロナ禍でせっかくの入学式も少々大変なのでは?と思いますが、今年小学校に入学する子供たち全てに「おめでとう!」と言いたいですね。きっとこの日を楽しみにしていた事でしょう。
ドイツでは、例外も多いですがピアノなどの習い事も小学校に入ってから始める子供が多く、私の教室でも小学校に入学した約2ヶ月後の秋休みが終わった頃(学校に慣れた頃)に
「子供にピアノを習わせたいのですが」という問い合わせをよくいただきます。(私の本業はピアノのせんせいです)
ぱっちりお目目でぷっくりしたほっぺの子供達、それはそれは可愛いのですが、ピアノの練習の方は・・・??
ゲームや友達と遊ぶ事、テレビを見る事など現代っ子は忙しい!(と数十年前から言われている気がしますが)なかなかピアノの練習に時間をさく子どもは少ないのが現状です。
私の教室では特にコンクールを目指す訳でもなく(それなりの成果を出す生徒が現れれば別ですが)子供が音楽好きになってくれる事を願ってレッスンをしています。
そんな、ちょっとゆるやかなピアノ教室ですが、かれこれ20年以上続けている教室でレッスン中に使う事を禁止している言葉が2つあります。
これはピアノ以外のケースでも使わない方が良いと思うので紹介します。
Ich kann nicht ( I can not) 出来ない!
とにかく使う子供が多い!です。
「次はこれを両手で弾いてみて」
「え〜〜出来ない!」(チャレンジする前に言ってしまう)
「来週までにこの曲を暗譜してきて」
「無理、出来ない!」(まずはチャレンジしてよ)
私が教室を始める前に、ドイツ語を習っていた友人が
「Ich kann nicht って使ってはいけないの?『〜出来ない』というと「私はそんな能力のないお馬鹿さんです」と言っているようなものだから使うなっていうのよ」
と、ドイツ語の先生に教わったそうですが、チャレンジもせずに「出来ない!」というのはピアノに限らず人生一般で「使うべきではない言葉」ですよね。
もちろん、「明日、10時に来れる?」「明日は朝から仕事でそれは出来ない」とかそういう場合は別ですが。
私は生徒が「出来ない」というと「まだ出来ない」なら言っても良い、としています。
まだ出来ないけれど、来週までに出来るようになるよう練習する、ならOKですよね。
Das Stück ist doof! この曲、へんな曲!(馬鹿な曲)
課題に新しい曲を与えて、弾いて聞かせた時は特に「変な曲」とも言わず、だけどレッスンで自分が弾かなければならなくなった時に子供からよく発せられる言葉です。
ようするに、課題を練習してこなかった、練習不足の時に「この曲、おかしい!」と言って自分が弾けないのは曲のせいだと主張するのですね。
本当に変なメロディーだ、とか響きがおかしい、ミスプリントかな?とかのケースではなく、自分が弾けないのは練習不足だからではなく、曲に責任がある、と主張するのです。
ひどいと、生徒が自分で選んだ曲ですら「この曲は良くない!」と訴えます!
「あなたの好みではない曲というのはあるだろうけれど、馬鹿な曲(doof=馬鹿)っていうのはないわよ!好みに合わなければ、練習してさっさと合格にしてもらって、練習しなくても良いようにすればいいの!」
ピアノの限らず、自分が努力もしないで上手くいかないと他人のせいにする他責思考はやめたいものですね。
生徒には、意見はレッスンに対する不満でもなんでも、また弾いてみたい曲などの希望もどんどん言って良い、としていますが、
- 「出来ない!」「無理!」
- 「〜が悪い!」
この2つは使用禁止にしています。
これは子供も大人も、ビジネスでバリバリ働いている人も家庭の主婦も、使わないでおきたい言葉ですね。
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