本業はピアノの弾き方を教えているshirousagiです。
11月に入ると 大抵の生徒さんがクリスマスソングを弾きたがるので 生徒のレベルにあった曲、生徒が弾きたい曲、生徒が興味を示しそうなクリスマスソングを課題にしています。
中・高校生ともなると 「きよしこの夜」などはあまり好まなくなり モダンな曲を弾きたがります。 そこで クリスマスソングとしては多くの人が知っていて、でもモダンで弾きやすい、ということで 毎年ワムの「ラストクリスマス」を練習する生徒が出ます。
この曲、ご存知の方も多いと思いますが 1984年に発売された曲ですね。 毎年のようにクリスマスの時期になるとよく売れて、ドイツでは今年はチャート入り130回目、なのだそうです。
が、クリスマスソングというとやはり昔から伝わる曲が好き、クリスマスらしい、という人も多く、特に小学生以下の子供と大人の生徒さんは 伝統的なクリスマスソングを弾きたがります。
そんなドイツでよく歌われるクリスマスの曲で 私がもっとも好きなのはこれ
「O du fröhliche」(オー ドゥー フレーリッヒェ)
ドイツに来てすぐのクリスマスによく耳にしたからでしょうか?
O du Fröhliche 歌詞
1.O du fröhliche, O du selige,
gnadenbringende Weihnachtszeit!
Welt ging verloren, Christ ward geboren:
Freue, freue dich, O Christenheit!
2.O du fröhliche, O du selige,
gnadenbringende Weihnachtszeit!
Christ ist erschienen, uns zu versühnen:
Freue, freue dich, O Christenheit!
3.O du fröhliche, O du selige,
gnadenbringende Weihnachtszeit!
Himmlische Heere jauchzen dir Ehre:
Freue, freue dich, O Christenheit!
日本でもこの曲は賛美歌として歌われているので 日本語の歌詞もあります。 賛美歌集の発行年などで多少の違いはありますが 1954年に賛美歌として発表されている歌詞は
- いざうたえ、いざいわえ、
うれしきこのよい、
かみのみ子 あらわれぬ、
いざほめたたえよ。 - いざうたえ、いざいわえ、
たのしきこのよい、
すくいぬし 世にいでぬ、
いざほめたたえよ。 - いざうたえ、いざいわえ、
きよけきこのよい。
いとたかき みどりごを
いざほめたたえよ。
この曲の作詞者と作られた経緯
ドイツに来て初めてのクリスマスで教会で何度も歌ったこの曲、作曲者欄をよく見ると「シチリア民謡」などと書かれえているのです。 「え?ドイツ民謡ではないの? でもドイツのクリスマスソングとして有名みたいだけど?」
で、調べてみると・・
詩を書いたのは Johannes Daniel Falk(ヨハネス・ダニエル・ファルク 1798-1847)
父親がかつら職人の貧しい家に生まれたのですが 成績優秀で 奨学金を受け(父親の希望とは違って)ギムナジウム、それから大学へ進み、ハレで神学を勉強します。 牧師、そして詩人となります。 その後、ワイマールでゲーテらと交際を持ち、評論家として生計を立てています。
(現在のHalleハレ)
4人の子供を病気で亡くし、親のいない子供たちのために、と孤児院を設立した彼はその子供たちのためにと1815年にクリスマスソングとしてこの詩を書き、曲にシチリアのマリア賛歌(Marienlied)を使ったのだとか。 なるほど、それで「シチリア民謡」と言われているのですね。
この曲を聞いてみたい方には・・こちらなど。
この「O du fröhliche」 ドイツでは本当に有名なクリスマスソングの一つで、 イブの夜中の礼拝でも よく最後に歌われる曲です。(この曲か、「きよしこの夜」というのが定番のよう)
24日の夜中の礼拝が終わると午前0時を過ぎていて、そう「クリスマス」です。
「Frohe Weihnachten!」(フローエ ヴァイナハテン・クリスマスおめでとう!)と挨拶を交わしてから 寒い中を帰路へと急ぎ、 サンタクロースが持って来たプレゼントをあけたものでした!
(この歌とクリスマスプレゼントが結びついて 余計にこの曲が好きなのかも??)
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