来年、2020年9月から、ドイツのパン屋、キオスク、Tante-Emma-Laden(小さな個人経営とかの食品や雑貨を売っている店)などでは、
お客さんが買ってくれた物は全てレジに打ち込んで、レシートを発行しなくてはならない
事になったそうです。
理由は明確だなあ・・お店が売り上げに対する税金をごまかさないように、ですよね。
この新しい法律に反対の声を上げたのが、特にパン屋さんだそうで、パン屋さんにはBrötchen(小型のパン)1個だけを買いにくるお客さんもたくさんいます。
このパンは新鮮な方が美味しい!のです。(まあ、日本のパンだってそうですが)毎朝、その日の分だけ買う人もいます。
また、小さな子供と買い物をしていて、子供がお腹すいた!といえば、このパンだけ買って子供に与える人も少なくありません。それを知ってか?子連れでパンを買うと、この小型パンを子供にプレゼントしてくれるパン屋さんもあります。
我が子もまだ1歳〜3歳の頃は、よくパン屋さんでこのBrötchen(ブレートヒェン)だけもらって、それを我が子は、そのまま何もつけず、何も挟まずに美味しそうに食べていました。
ドイツに来た日本人からもよく「あのBrötchenって美味しいね!」という声を聞きます。
美味しいのですよ、安いし!
このパン1個、お店によって多少違いますが、30セント(大体35円)くらいです。この30円ちょっとの買い物にもレシート発行の義務が生じるのだそうですよ。
Für jedes verkaufte Brötchen den #Kassenbon ausdrucken? So könnte das ab 2020 aussehen. #Bonpflicht #Belegausgabepflichthttps://t.co/M7FkyeUFFe
— shz.de (@shz_de) November 28, 2019
「たった一個のパンにもレシート発行しなくてはならないなんて!そんな事をしたら店の前はレシートの紙切れがたまるばかりだよ!」と言わんばかりにツイートしたパン屋さん。(まだこの法律は施行されていませんが、実験した、という事のよう)
お客はレシートを持ち帰る義務はありません。よく、スーパーのレジでも「レシートいらないから」と置いていく人、いますよね。(で、レジのところにレシート用のゴミ箱があるところもありますよね)
「レシート発行の義務なんて、これじゃ、店先はカーニバル(の花吹雪)状態!!」と訴えるパン屋さんも。
レシート発行しないと、売り上げをごまかせる、というのは良くわかるのです。実際、子供にBrötchenをサービスしているお店でも、パンをいくつサービスしたか記録していない訳です。売れたパンも「サービスした」といえばそれまでです。
ですが、このレシート発行でのデメリットもあります。
- パン屋さんの仕事が増え、お客はレシート発行まで待たなくてはならない、(大体、朝、急いでパンを買いにくるお客が多い)
- レシート発行に伴って、これまでよりレシートの紙が200万km余計に必要になる、使用される。(環境に悪い)
- 決められたレジを設置しなくてはならないので、お店の負担が増える
それでなくても小さい個人経営のお店の多くは、経営的に大変らしいので、どうなのかな?と思いますが、これまでの方法だと脱税しやすいのも事実。
パン屋さんが経営困難で店舗数が減っている事を一度書きました。
それに、それでなくても紙の使用の多いドイツ!先日、流れてきたニュースから、こんな記事を書きました。
脱税防止にキャッシュレスにすればいいじゃない!とも思いますが、キャッシュレスだと、これもレシートなどが発行されますよね。しかもドイツの現状だと普通の現金払いのレシートの2〜3倍の量。
しかもドイツはまだまだ近隣諸国に比べて、キャッシュレス払いは遅れています。
先日、オランダに住む(オランダの国境は近い!)友人とドイツで会って食事に行った時、その友人はほとんど現金を持っておらず、ドイツで困っていました。「オランダだと、現金なくて生活できるから!」
まあ、30セントのパン1個をクレジットカードで支払うのも面倒ですが・・・
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