今年6月から3カ月間、1カ月9ユーロ(約1,200円)で公共の乗り物に乗り放題になるチケット「9Euro Ticket」が発売されて、かなり話題になりました。
このチケットが売られることが決まった時、私も大喜びで「夏はドイツ国内旅行だ!」と、近くの観光地に出かける予定でした。
そして、インフレに悩む国民への救済策の一つとして、6月から8月の3カ月間はガソリンにかかる税金を軽減しました。おかげで高騰したガソリン代も6月からは少々安くなりました。
リットル2ユーロ(約270円)以上したガソリンが、7月下旬のある日には1.83ユーロ(約250円)に。
このガソリン代、9月に入ったら再び2ユーロ超える、と言われているのです。どうなるのかな?
9ユーロチケットはとてもお得だったけれど
この(特急、急行など長距離列車以外の)公共の乗り物乗り放題チケット、なんと3,800万枚売れたのだそうです。
大人気!といいたいけれど、経済的損失は25億ユーロになると予想されているそうですよ。(あまりにも大きい数字で、これを円に換算する気にもなれない)
一体、この損失、本当ならどこから補填するのかしら?
残念ながら5月下旬に怪我をしてしまった私は、旅行に出掛けられませんでした。
でも、車の運転が出来なかったので、この9ユーロチケットを買って、病院に通ったり、買い物に行ったりしました。
1カ月9ユーロの出費で、私が使ったのは市内交通(バス)で7月に3往復、8月に4往復しただけです。
それでも十分に元はとれました。何しろ市内交通1往復するだけでも、回数券を利用しても5ユーロ以上かかるのです。
3往復したら回数券でも15ユーロの出費のはずだったのが、9ユーロで済んだのですから、お得ですよね。
ちなみに、市内限定の定期券1カ月だって、色々バリエーションはあるものの、ここデュッセルドルフだと最低
- 72.57ユーロ(約9,800円)
- 朝9時以降にしか使えない定期で54,29ユーロ(約7,300円)
こんなにするのです。そりゃ定期だと週末にはもっと遠くまで行ける、とか色々メリットはありますが。
公共交通運賃が安くても、デメリットが多くて役にたたない!
とてもお得感満載だった「9EuroTicket」でした。
が、このチケット導入の目的の一つ、「環境にやさしい交通手段を選ぼう」には今ひとつ貢献できていません。
この安いチケットのおかげで、大勢の人が列車を利用したのはよかったけれど、
- 列車乗客が満員で、乗れない客が発生
- まだコロナ禍だし、病欠などで鉄道職員が不足
- 列車が突然キャンセルされる(走行しない)
→予定通りの旅が出来ない、知らない駅で取り残される、とにかく不便!
この私の数少ないバス利用体験ですら、合計7往復でもトラブルが発生しました。
- ちゃんとアプリでは「来る」とあるバスが来なかったのが1回
- イベントのためにバス走行ルート変更されていたのに、アプリでは通知されてなかったのが1回。
せっかくバス会社のアプリがあるのに、せめて走行変更はアプリですぐに知らせてくれればいいのに!(担当者不足なのか?)
しかも、病院の予約をしていた日に利用する予定で、何度もバスの時刻を調べた上で、時間的余裕を持って乗ろうとしたバスが来なかった時は・・・「やっぱり公共の乗り物は利用できないじゃん!」と怒りが込み上げてきてしまいました。
予約時間に間に合わなくなるから、バス停1個分せっせと歩いて、別路線のバスに乗ったわ。
なんとか5分だけの遅刻で済んだからよかったけれど。
それに、これほど列車などを利用した人が増えたのに、自家用車の利用はあまり減っていなかったのですってよ。
9ユーロチケット、環境問題改善に貢献していない・・・
9ユーロチケットの後続チケットを作るべきだと
それでも、売れに売れまくった9ユーロチケットです。
これからも公共交通を利用するための格安なチケットを販売しよう、という声は多いらしく、いくつか自治体や州では、すでにこれまでよりお得なチケットが販売されることが決定しているようですよ。
ここ、NRW州でも、1日あたり1ユーロの「29ユーロチケット」とか「365ユーロチケット」(年間)とか、ただいま話題沸騰中!です。
1日あたり1ユーロにしても、チケットの売り上げだけでは交通にかかる経費を賄えないのですよね。
財源はどこだろう?でも、せめて市内交通だけでも安いチケットが販売されると嬉しいなあ。
だけど、
- 時刻表通りに走る(→日本ほどの正確さは期待しない)
- いきなり予告なくキャンセルしない
- 治安が良い
- 乗客のマナーが良い
そうでないと、いくらチケット代が安くなっても、やっぱり車を運転するわよ、私は。
===追記==
9月3日の朝、ガソリン代は2ユーロを超えていました(涙)
この時点で1リットル2.04ユーロです。(約300円)
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