書かれたのは2003年くらいなので、内容に少々古いところがあるのかもしれませんが、先日、オーディブルでこの本を聴いていました。(オーディブルとして配信開始されたのは2023年8月)
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橘玲さんのこの著書には40ほどの新聞に掲載された文章が載っています。その一つが「福祉のない豊かな生活」。
ヨーロッパで組織的、暴力的な移民排斥運動が広がるのは、社会福祉が充実しているからである
橘玲「知的幸福の技術」より
これを聴いて思い出したのが、福祉と話が少々離れますが、ドイツの大学の学費の件なのです。
ドイツの大学は学費が無料
ドイツの大学はその多くが国立で、その場合は原則、学費は無料です。
管理費と地域交通会社への料金は支払い義務があるけれど、通っている大学のある州の地域交通は乗り放題になるのよ。
大学を卒業することは大変で、遊んでいては大学を卒業することは出来ないですが、学費はほぼ無料です。
本当に勉強したい人にはありがたいシステムですよね。
でも、学生に勉強する環境を与えるには(大学の建物や教授の給料など)莫大な経費がかかります。
その経費はどこから来るかって、大雑把にいうと、それはドイツ国民が支払っている税金からですよね。
EU以外の国からの留学生は学費が必要に
留学生もドイツの大学で学ぶ場合、学費は無料です。
なのですが、ここで、2017/18の冬学期から、バーデン=ヴュルテンベルク州では「EU諸国以外からの留学生」からは学費を徴収することになったのです。
(例外もある、学費を免除してもらうことも可能、とあります。)
その金額は1ゼメスター1,500ユーロ。1年で3,000ユーロ(約46万円)です。
EU諸国以外からの留学生から学費を徴収することになった理由は「特に中国からの留学生が増えた。彼らは勉学のみがドイツ滞在の目的で、ドイツ(EU)の連帯に属しておらず、税金、社会保険料の支払いからも逃れている」。
つまり、EU以外からの留学生は、EUに税金や保険料を収めるわけでもないのに、無料で大学に通うのはおかしい、ということですよね。
これを「外国人差別だ!」という人もいますが、私は留学生(ここ大事)からは学費を徴収することになるのは仕方ない、と思うのです。
むしろ、その方が外国人にも住みやすい国になると思うのです。
優秀で勉強をする気がある留学生には奨学金を与える、授業料免除にする。
けれど、勉強する気はないけれど、学費無料だから利用しようという学生まで留学してやって来て、ドイツ在住民が支払った税金を無駄遣いされると、そりゃ、国民は怒りますよ。
今日聴いた本、元は「雨の降る日曜は幸福について考えよう」という題で日経新聞の日曜版に連載されていたものを書籍化されたものを文庫版にするにあたり改題されたもののようです。(リンクは紙の本)
連載は2003年だったようですが、なかなか面白い本でした。特に私のような日本のシステムに疎くなってしまった人間には興味深かったです。
健康保険制度に関しても思うことありました。これはまたの機会にブログに書けたら、と思っています。
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