去年の秋からピアノを習い始めた70歳の生徒さんと雑談をしていて出てきた質問。
「家では和食を作っているんですか?」
あ、久々に聞いた!
実はこの質問、ドイツ人からよく尋ねられた質問なのです。と言っても30年くらい前は、ですが。
「家では日本料理を作るのですか?」
結婚してまもない頃、ドイツ人に実によく尋ねられました。
そのたびに、「えっと、どう答えたらいいのかな?」
一般的なドイツの家庭だと、私の知る限りは、その頃は本当に「毎日ドイツ料理」だったんです。
あのスパゲティーですら珍しく、いや、スパゲティーは普及していたけれど、まだ「Nudeln」(パスタのこと)とドイツ語で言われることも多かった。
で、おそらく、多くのドイツ人が、日本人の私は日本で和食ばかり料理して、ドイツ料理とかイタリア料理とかは日本では食べられていないと思われていたみたいなのです。
日本にはチョコレートはないと思っていた人もいたのよ
日本の食卓は以前から国際色豊かよね
さて、困った、どう答えようか?
日本料理ったって、味噌汁とか、煮物とかは作るけれど、簡単に手に入れられる食材も考えたら、毎日作っているのは日本でも馴染みの「洋食」だったり、中華もどきだったり。
以前はアジア食料品店もない街に住んでいたので、毎日の食事は圧倒的に「私が作れる洋食」。
その中にはドイツ料理も入っていました。(ジャガイモのパンケーキも日本で作っていたし、シュトレンも日本人の書いたレシピで作った)
そこで、質問したドイツ人への答えは「色々私が食べたいものを作っている」。
いや、これだとおそらくドイツ人にはどういう意味かわからなかったかも。
日本って、50年くらい前でも普通の家庭の主婦がスパゲティーを作ったり、ハンバーグを作ったり、麻婆豆腐を作ったりしていましたよね。サンドイッチだってあったし。
私の両親は洋食好きだったので、朝はミルクティーとトーストだったし。
今はさすがの食には興味のないドイツ人でも、ヨーロッパからアジア、アフリカ料理まで様々な料理を知っていて、作る人も少なくない。
先日もドイツの普通のスーパーで「ラーメンセット」とか「お寿司セット」と言った食材セットが売られているのを見かけました。
でも、おかげで(?)ドイツの幼稚園や学校の保護者の食事一品持ち寄りなどで、「お寿司を作ってきて欲しい」と言われる在独邦人の方もいらっしゃるようで、
その点は、ドイツ人にとって「日本の料理って、いったい何?」だった時代に子育てをしていた私は、まあ、楽をしたかも。
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