いえ、「えへん、私はこれだけ長くドイツに住んでいるのよ!」と自慢したいわけではありません。
毎年、ハロウィンになると「ドイツでは35年前には誰もハロウィンのことを1mmも言わなかったのになあ」と思って、ふと過去を思い出して懐かしくなってしまうだけです。
そして「35年前にはなかったなあ」という祝日もあるのですよ、それが10月31日の「宗教改革記念日」です。
ハロウィンとは関係ないからね!
35年前と現在のドイツ、違うのはこれ
実は私が渡独したのは1988年10月なのです。今計算したらちょうど35年前で・・・月日が経つのがこんなに早いのか、とびっくり!
そりゃ、35年も経つと色々と変化があるわね
というわけで、リストアップします。
ドイツが2つに分かれていて、西ドイツと東ドイツがあった
まずは東西ドイツに分裂していたことですね。
西ドイツへは日本人としては簡単に入国できましたが、東ドイツはビザと強制両替が必要。(いや、必要なんだから強制は当たり前か)
1989年のベルリンの壁崩壊のニュースは未だ忘れられません。
首都がボンだった
東ドイツの首都は東ベルリンでしたが、西ドイツの首都はボンでした。
通貨がマルクだった
未だにドイツマルクを懐かしむ、ユーロを嫌がる人もいるくらい、ドイツ人が大好き(??)だったマルク。
東ドイツの通貨はM、西ドイツの通貨はDM。
難民はあまりいなかった
ガストアルバイター(外国人労働者)としてトルコ人が多くいて、(今と比較すると少なかった)社会問題ともなっていましたが、現在のことを思うととても平和でした。
本当にあの頃(35年前)の西ドイツが懐かしい!
閉店法が厳しくて、専業主婦がいないと買い物って無理かも?と思った
今でも日曜日はお店は営業していませんが、その昔はスーパーなど生活必需品を売るお店でも
- 月〜水、金=18時30分まで
- 木曜日=20時まで
- 土曜日=14時まで(少しづつ延長された)
- 日曜日=閉店
と、営業時間が短かったのです。営業開始は確か8時だったと思う。
テレビ番組が午後しかなかった(午前は再放送のみ)
食事中にテレビを見るなどもってのほか、テレビはよくないものだ、という認識だった気がします。
と言っても、ドイツ人にも色々いるので、35年前からテレビ大好きな人も多かったとは思うけれど。
テレビ番組は本当に少なくて、公共の3局。放送は午後だけ。(それも早い時間は再放送ばかりだったかな)
私が当時訪問したドイツ人家庭ではどこも7時か8時のニュースを見て、それから映画など娯楽番組を見て就寝、という感じでした。
ドイツ語が溢れていて、英語はあまり使われていなかった
なにしろその当時の年配の方には「X’mas」とか「Sale」と言った単語を知らない方がいて、お店で使われ始めたのが多分30年前位。
クリスマスのあの有名曲「ジングルベル」も知らない人が多かった!
ドイツ語を習いに来た私には、皆にドイツ語で対応してもらえて嬉しかった!
(外国人だから英語で対応って、必ずしも親切だとは限らないと思う)
サマータイム終了は9月末だった
現在はサマータイム終了は10月の最終日曜日の午前2時ですが、以前は9月の最終日曜日だったのです。
イギリスは当時もサマータイム終了が10月末だったから、1か月ほどイギリスとドイツの時差が2時間だったのです。(普通は1時間)
ハロウィンはなかった
ハロウィンはケルト民族の伝統行事。ゲルマン民族の伝統行事ではないので、ドイツではハロウィンを祝うことはなかったのです。
なのに、今や世界どこでも同じようなイベントがあって、ちょっと寂しい気がする(年寄りの独り言)
10月31日は全ドイツ祝日ではなかった
(今でも南西ドイツでは平日だけど)
10月31日といえば、マルティン・ルターが1517年に「95ヶ条の論題」を教会の扉に貼り付けた日。
これがきっかけでドイツで宗教改革が起こりました。それを記念して、10月31日はプロテスタントの地域は祝日です。
でも、35年前は祝日ではなかったのです。
伝統行事が伝統行事らしかった
(あくまで私の個人的な感想です)
ゲルマン民族の伝統に基づくもの、キリスト教に基づく伝統行事が、現在の形と比べるととても伝統行事らしかったのです。
クリスマスマーケットはクリスマスの前日までで、(今は正月が来るまでやっているとこころも多い)クリスマスは静かに家族揃って祝うもの(日本の正月みたいに)だったのが、今はスキー旅行などをする人が多くなっています。
子供の楽しみはハロウィンではなく「聖マルティン祭」。手作りのランタンを持って家庭を訪問して歌を歌ってお菓子をもらう。(これを現在すると、危険が伴うかも)
プレゼントだって、誕生日とクリスマス、よくてその上にイースターの時だけ。(今は何かとプレゼントしている)
なんだか寂しい。
街を歩いても、ドイツ人の数も少なくなったし。私がずっと住んでもいいかも、と思ったドイツはどこへ?
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